2012 Fiscal Year Annual Research Report
加熱併用型超音波マイクロ・インクリメンタル・フォーミングによる難加工材の微細造形
Project/Area Number |
24656097
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
帯川 利之 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (70134830)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | マイクロ塑性加工 / 難加工材 / 成形限界 / 加工力 |
Research Abstract |
マイクロスケールの素子や要素は,製品や部品のキーエレメントとして,重要な機能を担うようになってきた.近年では,それらに対する要求が多様化し,フレキシブルでかつ迅速に,しかも必要量だけ製造するための種々の方法が模索・検討されている.そこで本研究では,金型もバッキングプレートも使用しないフレキシブルなマイクロ塑性加工技術(マイクロ・インクリメンタル・フォーミング)を用い,エネルギー関連材料として,また生体適合材料として多用されているステンレス鋼の立体的な膜状微細素子の効率的な加工技術について研究した.またマイクロ塑性加工におけるステンレス箔の特異な破壊機構や成形限界を実験的に検討した. ステンレス鋼は,成形性の悪い難加工材であるので,超音波スピンドルを使用し工具・工作物間の潤滑状態を改善した.しかし厚さ8ミクロンのステンレス箔に対し良好な結果が得られる工具回転速度は毎分2000回転であり,アルミ箔の最適速度に比べると非常に遅いことが分かった.ステンレス箔ではスプリングバックが生じやすいので,潤滑がよすぎると,箔の塑性変形に必要な応力を与えることができず,箔の表面だけを擦って加工効果させるため,却って塑性変形の効率が下がることが分かった.よってステンレス箔のマイクロ塑性加工では,適度な加工力を与える加工条件,加熱条件を選択することが肝要であることが明らかとなった.また成形中の加工力の測定結果から,加工力はスプリングバックの影響を受けやすく,軸方向送りを多少増加させても加工力は大きく変化しないことが明らかとなった.このことから,加工力を適切に制御するためにはスプリングバックを効果的に抑制する方法の開発が極めて重要であることが分かった.その他,レーザ顕微鏡を用いて微小ピラミッドの形状精度を検討した.また成形限界を与える条件が,ステンレス箔とアルミ箔では大きく異なることを明らかにした.
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