2014 Fiscal Year Annual Research Report
珪砂の水素原子還元による太陽電池用シリコン製造技術の開発
Project/Area Number |
24656103
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
安武 潔 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80166503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
垣内 弘章 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10233660)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | シリコン / 水素還元 / SiO2 / プラズマエッチング / 高圧力プラズマ |
Outline of Annual Research Achievements |
低純度珪砂(SiO2)原料から太陽電池用SiH4ガスを直接製造するプロセスの開発を目的として、高圧力水素プラズマによる高密度H生成、およびSiO2エッチング実験を行った。研究期間を通じた成果として、高圧力プラズマ中の原子状H密度の定量法を確立したこと、およびHによるSiO2エッチング速度として、従来の約100倍の速度(303 nm/min)を達成したことが挙げられる。 本年度は、新たなプラズマ診断法として、装置の電磁場シミュレーションに基づくプラズマインピーダンス解析から、簡単に電子密度を求める方法を開発した。また、カロリメトリの精度向上とKrアクチノメトリの実施によって、H密度の定量法を確立した。カロリメトリによる測定には、高密度のH生成と専用装置の開発が必要であったが、カロリメトリの結果で較正したアクチノメトリにより、実プロセス装置で幅広い実験条件に適用可能なH密度のin-situ測定技術を開発した。 高圧力水素プラズマは電子温度が低い(約0.5 eV)ため、アクチノメータとして、電子衝突励起の閾値がH発光のそれと差が小さい遷移を選択することが極めて重要であり、低圧力プラズマで有効なAr発光を用いるとH密度を3桁近く過小評価することが分かった。また、プラズマ中のH密度は、水素1分子当たりの投入エネルギーと一義的な関係を持つことが明らかになった。 種々のプラズマ条件でSiO2のエッチング実験を行った結果、エッチング速度は、投入電力および原料温度とともに増加するが、特にH密度に比例して増加すること、投入電力が大きい場合SiH4がプラズマ中で分解するため、Si原子の発光強度(波長288nm)が電力とともに増加することが分かった。プラズマ条件とH密度、SiO2エッチング速度の基礎的関係をもとに条件の最適化を行った結果、SiO2エッチング速度として303 nm/minが得られた。
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