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2013 Fiscal Year Research-status Report

自動車排気ガス中の二酸化炭素を積極利用したイオン液体による新規潤滑システムの構築

Research Project

Project/Area Number 24656107
Research InstitutionIwate University

Principal Investigator

七尾 英孝  岩手大学, 工学部, 助教 (50312509)

Keywordsイオン液体 / 二酸化炭素吸収 / 潤滑特性
Research Abstract

昨年度作成した,イオン液体への二酸化炭素充填処理用高圧容器を用い,処理済みイオン液体の潤滑特性を検討した.予備実験として,従来から広範に渡り用いられている合成炭化水素油ポリαオレフィンとの各種未処理イオン液体との摩擦低減効果の比較を行った.本研究で用いたイオン液体全てにおいてポリαオレフィンよりも低い摩擦係数が得られ,イオン液体の高い摩擦低減効果が確認された.この摩擦低減効果は処理済みイオン液体においてもほぼ変わらなかった.一方,摩耗低減効果としては,イオン液体の構造(カチオン構造)の違いにより顕著な差が確認された.未処理イオン液体において,四級ホスホニウムカチオンをもつもののみポリαオレフィンを上回る摩耗低減効果を示した.また,このイオン液体は二酸化炭素充填処理を行うことで更に高い摩耗低減効果を示した.また,イミダゾリウムカチオンのイオン液体では,ポリαオレフィンより摩耗が大きかったが,二酸化炭素充填処理することで,顕著な摩耗低減効果の向上が確認された.以上の結果から,二酸化炭素充填処理によるイオン液体の潤滑特性向上が期待される.そこで,二酸化炭素処理充填法の詳細な検討を行った.イオン液体のみ処理(処理法1),摩擦面のみ処理(処理法2),前述両者処理(処理法3)の3種類の処理法で摩擦および摩耗低減効果を比較検討した.処理法2では未処理より摩耗が進行したが,処理法3では1よりも高い摩耗低減効果を得ることができた.一方,摩擦低減効果に関しては,処理法による顕著な差は確認されなかった.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当該年度,研究棟に大型改修が入り,十分な実験環境を得ることが出来なかった.しかしながら,非常に挑戦的なテーマだったため見積もることが困難だった実験結果が,申請時に期待していた方向から大きく逸れていなかったため,概ね順調と判断する.

Strategy for Future Research Activity

研究は概ね順調に進んでいるが,当初の目的はイオン液体を二酸化炭素充填処理することによる摩擦の低減であった.今年度の成果で潤滑特性のひとつである摩耗低減効果は得られたものの,摩擦低減効果は殆ど得られていない.イオン液体はアニオンとカチオンの組合せが比較的自由なため,その種類の多さが特徴のひとつである.今年度用いた各種イオン液体が申請者の求める性能を発揮するものであるかの検討を進めるべく,広く構造の異なるイオン液体を用いて実験を行う.また,イオン液体への二酸化炭素充填と摩擦低減効果との関係を探るべく,今年度末に本助成金で購入した二酸化炭素濃度計を活用する.また,更に高濃度の二酸化炭素濃度のイオン液体を調整すべく超臨界二酸化炭素を応用する予定である.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

現在までの達成度でも記したが,本年度,申請者の研究棟に大型改修が入り,十分な実験環境の確保が困難であった.そのため,目標とする実験計画全てを遂行できなかったためである.
新規試料としてのイオン液体を検索し,購入費用とする.また今後の推進方策で述べた通り,超臨界二酸化炭素を利用したイオン液体の新規な二酸化炭素充填法を実現するための消耗品費用に充てる計画である.尚,超臨界二酸化炭素装置は現有設備であることを申し添える.

URL: 

Published: 2015-05-28  

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