2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24656108
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 孝久 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60152716)
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Keywords | 金ナノ粒子 / スパッタリング / プラズモン / 吸収ピーク / 色 |
Research Abstract |
ナノスケール表面粗さを利用した発色制御を実施するために、まず、ECRプラズマ型イオンビームスパッタ装置を用い、透明石英基板上に金ナノ構造体を作成した。スパッタリング時間を制御し、一般的な金ナノ粒子の赤色とは異なった青色や緑色といった色の金ナノ構造体を生成した。その後分光光度計を用いて、生成したナノ構造体の光学特性プロファイルを取得し、光吸収波長依存性よりそれぞれのナノ構造体におけるプラズモン吸収波長を同定した。さらに、光学特性プロファイルより透過度の色座標データへの変換を行った。具体的方法としては、光特性測定によって取得した透過率あるいは反射率のプロファイルに対して、等色関数を用いて人の目の赤、緑、青それぞれの分光感度を考慮したXY表色系の色座標への変換を行った。これによって、実際に人間の目に光の色がどのように映るかを評価した。 金ナノ構造体の表面粗さ状態を高分解能で観察する方法として、FE-SEMによる表面観察を実施した。FE-SEMについては上面のみならず断面からの観察も行ない、表面構造を三次元的に評価することができた。ナノスケール表面粗さによる発色性発現のメカニズムを解明するため、金ナノ構造体の吸収特性を数値計算により実施した。直接観察から得られたナノ構造体のサイズ、形状をもとにモデルを構築し、極微小な領域の金属表面近傍での3次元電磁場解析法を用いた計算を実施した。粒子サイズにより誘電率が変化することも考慮し、平均粒子サイズにおける誘電率を用いて計算を実施した。さらに電磁場解析結果に対し、粒子間相互作用の影響を導入することにより、粒子サイズ、形状、粒子間隔の影響を考慮した計算が可能となり、計算結果が実測値と合致することを確認した。金ナノ構造体の呈する色は、ナノ粒子のサイズ、形状、粒子間隔により変化し、それらが決まればおおよその色を予測することができることがわかった。
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Research Products
(1 results)