2013 Fiscal Year Research-status Report
ナノ粒子を用いたスラリージェットエロージョン法によるバイオフィルム除去技術の開発
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24656111
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
岩井 善郎 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40115291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮島 敏郎 富山県立大学, 工学部, 講師 (60397239)
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Keywords | バイオフィルム / 酸化チタン / ウェットブラスト / MSE / Ti / ステンレス鋼 / 紫外線 / 機能表面 |
Research Abstract |
MSE試験によるバイオフィルム除去と紫外線照射滅菌条件について実験研究を行った。バイオフィルム除去用に改造したMSE試験装置を用いて、前年度の研究で最適化した投射条件でTiO2粒子を含むスラリーを投射し、バイオフィルム除去を試行した。本研究では、TiO2投射粒子の効果をより明確にみるために、医療用器具等で用いられるSUS316Lを供試材料とし、バイオフィルムには実験の安全を確保するために納豆菌を用いて培養する方法を考案した。MSE装置によるバイオフィルム除去後に、紫外線照射により滅菌を試行した。滅菌レベルは、滅菌性検証として、供試材料、バイオフィルム自体、MSE装置によるバイオフィルム洗浄後、UV照射後のそれぞれの表面に対して、ATP+AMPふき取り検査を行い、その結果から評価した。それらの結果から、バイオフィルムのMSE試験により約98%除去され、さらに紫外線を照射することで、ほぼ100%除去されることがわかった。 次に、除去されたバイオフィルムを含有するスラリー廃液の紫外線照射滅菌条件を調べた。除去されたバイオフィルムを含むスラリー廃液を滅菌するための紫外線照射条件をある値に設定し、スラリー濃度を一定にして試験を行った。その結果、超純水と納豆菌を合わせた水溶液では、UV照射による温度上昇により菌の存在を示す値が上昇するのに対し、TiO2粒子を含むスラリーと納豆菌の水溶液では菌の存在が低減されることが明らかになった。本試験条件では、紫外線照射を12時間行うことで滅菌できることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究を実行するにあたり、バイオ関連の文献等を参考にしながら、当初の計画通り実行できている。
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Strategy for Future Research Activity |
TiO2粒子の供試材料表面への効果 これまでの結果から、滅菌効果の可能性が示唆された。さらに、投射によるTiO2粒子の供試材料表面への効果が期待されることから、その効果について調べる。 これまでの結果の総括 以上の結果を総括し、MSE法と紫外線照射によるバイオフィルム除去・滅菌方法を提案する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
学会への出張日程が所要のため予定より短くなり、少額の残金が生じた。 実験や解析のための消耗品等の使用、研究代表者・分担者・MSE装置メーカーとの情報交換や研究成果を取りまとめるための打合せ旅費、本研究成果の発表やさらなる発展を視野に入れた分野開拓のための旅費に使用する。
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Research Products
(2 results)