2013 Fiscal Year Annual Research Report
流体/固体遷移領域における発泡体破砕メカニズムの解明
Project/Area Number |
24656119
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
亀田 正治 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70262243)
|
Keywords | 固体地球惑星科学 / 火山学 / 流体工学 / 破砕 / 粘弾性 / X線イメージング |
Research Abstract |
火山爆発を,「マグマ気泡流から噴霧流への遷移」ととらえ,火山物理学者(東京大学地震研究所助教,市原美恵氏)を連携研究者に迎え,流体工学の手法を用いて,遷移メカニズムの解明に取り組んだ.特に,爆発的噴火のきっかけとされる急激な遷移現象~発泡マグマの「破砕」~に焦点を絞り,工学的手法に基づく精密室内実験から現象の詳しい過程を調べた. 本研究では,特に,天然の噴火でしばしば見られる,マグマが流体(流動状態)と固体(脆性状態)の中間的な性質を示す時間スケールでの「脆性的破砕」の発生について,試料内外の複合リアルタイムモニタリングを通じて,その要因を特定した. まず,可視光による観察を通じて,脆性的破砕は,試料内部の不均一な気泡分布をきっかけに試料内部でき裂が進展し,試料に内包された一部の気体が急激に放出されることによって生じる,との見通しを得た (Kamedaら, J. Volcanol. Geotherm. Res., 2013).また,気泡連結を模擬した試料は同じボイド率で均質な気泡分布を持つ試料に比べて破砕が生じやすいこともわかった (Shida et al., IAVCEI Kagoshima 2013). そこで,これまでの室内実験システムを縮小化した装置を高輝度光科学研究センター(SPring-8)に持ち込み,X線イメージングによって,可視光では不可能な試料内部構造や破砕の進行過程の詳細を実験的に把握した.その結果,CT再構成画像,X線ラジオグラフィの画像から,破砕は気泡の連結部から生じることを確認した (亀田ら, 地球惑星科学連合大会2014; 志田ら, 地球惑星科学連合大会2014).
|