2012 Fiscal Year Research-status Report
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24656121
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
玉野 真司 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40345947)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 流体工学 / 非ニュートン流体 / 抵抗低減 / 省エネルギー / レオロジー / UV照射 / 界面活性剤 / PR流体 |
Research Abstract |
本研究では,非イオン性界面活性剤水溶液と紫外線吸収剤を混合した溶液に,UVを照射することにより,DR効果を局所的に消失・発現させ,流れを減速・加速させる流れの制御手法の開発を目指している.本年度はその第一段階として,非イオン性界面活性剤水溶液と紫外線吸収剤の混合溶液にUVを照射してDR効果を変化させるシステムを新たに設計・開発し,スターラーを用いた渦消失実験ならびに円管流れにおけるDR効果を明らかにした. 本研究において使用した非イオン性界面活性剤は,AROMOX (ライオン・アクゾ株式会社製)を水道水に溶解させたものである.AROMOXは,オレイルジメチルアミンオキシド(ODMAO)を主成分とする混合物である.また,紫外線吸収剤としてオルトメトキシケイ皮酸(OMCA)を用いた.ODMAOの濃度Cは500 ppmまたは1000 ppmとし,ODMAOとOMCAのモル比は2対1とした. UVを照射せずに, 紫外線吸収剤OMCAを添加剤としてAROMOX水溶液(C = 500 ppm)に添加した場合としない場合の渦高さを比較したところ,OMCAを添加すると,渦高さが22 mmから4 mmに急激に小さくなることが明らかになった. 次に,レイノルズ数と抵抗低減率DRの関係を調べ,以下のことが明らかになった.AROMOX水溶液にOMCAを添加すると,DR ≧ 60%の高い抵抗低減率が得られるレイノルズ数範囲がAROMOXのみの場合と比較して拡大するが,最大抵抗低減率(70%)はほとんど変化しない. また, 溶液にUVを2 h照射した場合, 照射前のデータと比較して,DRが急激に減少する臨界レイノルズ数の値を除き,DR効果にほとんど違いが見られない. DR効果は溶液温度の影響を受けやすいことから,今後,溶液温度依存性について調査する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り,UV照射機構を有する新実験装置の設計・製作が完了した.また,スターラーによる渦消失実験,円管流れにおける抵抗低減率の測定を実施することが出来た.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予想よりも溶液の温度依存性が大きいことが明らかになったので,温度依存性についてさらなる調査を行う予定である. また,液滴落下を利用した伸長粘度測定装置を新たに設計・構築する予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
界面活性剤ならびに紫外線吸収剤の購入費用. 伸長粘度測定装置の製作費用.
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Research Products
(1 results)