2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24656121
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
玉野 真司 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40345947)
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Keywords | 流体工学 / 非ニュートン流体 / 抵抗低減 / 省エネルギー / レオロジー / UV照射 / 界面活性剤 / PR流体 |
Research Abstract |
本研究では,非イオン性界面活性剤水溶液と紫外線吸収剤を混合した溶液に,UVを照射することにより,DR効果を局所的に消失・発現させ,流れを減速・加速させる流れの制御手法の開発を目指している.本年度は,昨年度に構築した実験装置を用いて,非イオン性界面活性剤水溶液と紫外線吸収剤の混合溶液にUVを照射して,照射時間とDR効果の関係,ならびにその温度依存性を明らかにした.また,この流動現象をレオロジーの観点から説明するために,液滴落下を利用した伸長粘度計を設計・開発した. 本研究において使用した非イオン性界面活性剤は,AROMOX (ライオン・アクゾ株式会社製)を水道水に溶解させたものである.AROMOXは,オレイルジメチルアミンオキシド(ODMAO)を主成分とする混合物である.また,紫外線吸収剤としてオルトメトキシケイ皮酸(OMCA)を用いた.ODMAOの濃度Cは500 ppmまたは1000 ppmとし,ODMAOとOMCAのモル比は2対1とした. 紫外線吸収剤OMCAを添加剤としてAROMOX水溶液(C = 500 ppm)に添加した溶液に,紫外線を異なる時間(0,4,8,12時間)照射し,抵抗低減率の時間変化を明らかにした.実験は,加圧流下式の円管流装置(直径5 mm)で行い,圧力損失と流量を計測することで,レイノルズ数,管摩擦係数,および抵抗低減率を算出した. 最大抵抗低減率は,UV照射時間が長くなるにつれて,溶液温度が10℃の場合には僅かに小さくなるが,溶液温度が20℃または30℃の場合にはほとんど変化しないことが明らかになった.また,臨界レイノルズ数(最大抵抗低減率となるレイノルズ数)は,UV照射時間が長くなるにつれて,溶液温度が30℃の場合には値が大きく減少するが,溶液温度が10℃または20℃の場合には値に大きな変化は見られないことが明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
抵抗低減率のUV照射時間による変化,ならびにその温度依存性を明らかにすることができた.また,液滴落下を利用した伸長粘度測定装置が予定通り完成した.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,可逆性の紫外線吸収剤を用いたUV照射実験を行う予定である.また,伸長粘度測定を実施し,UV照射により変化するDR効果をレオロジーの観点から説明することを試みる.
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