2015 Fiscal Year Annual Research Report
密度成層流体における鉛直流れとラグランジュ的鉛直拡散の解明
Project/Area Number |
24656124
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
花崎 秀史 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60189579)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 成層流体 / 粒子画像速度計測 / レーザー誘起蛍光法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、鉛直移動する球(cmオーダーのサイズ)まわりの流れについて、塩分成層を用いた水槽実験(シャドウグラフ、PIV、LIF)と高解像度の数値計算により、ジェットを構成する流体の起源と、ジェットの発生メカニズムを解明した。 水槽実験では、cmオーダーの直径を持つ球に対して実験を行った。流れの全体的なパターンを把握するのに適切なシャドウグラフ法の他、球の中心を通る鉛直断面内の測定にLIF(レーザー誘起蛍光法)とPIV(粒子画像速度計測)を用いた。塩分成層の作成には2タンク法を用いた。すなわち、2つのタンク(塩水タンクと真水タンク)から出てくる液体の混合比を徐々に変えることにより密度を変えて塩分成層流体を作成した。また、LI Fによる流体密度(塩分濃度)計測には次の手法を用いた。すなわち、あらかじめ塩水タンクにのみ蛍光染料(ウラニン)を入れておく。すると、2タンク法による成層流体作成の過程で、ウラニン濃度と塩分濃度が比例した状態で成層流体が形成される。その結果、ウラニンの蛍光強度を測定すれば、それに比例した塩分濃度(流体密度)を測定できる。上記のLIFとPIVにより、ジェットの内部構造、及び、球面付近の密度・速度分布を測定した。 数値計算では、まず、水槽実験で観測されるジェットの生成過程や、塩分の分子拡散による等密度面の切断とジェットの生成の関連を明らかにした。この数値計算には、これまで開発してきた差分法のプログラムを改良して用いた。成層流体の数値計算は、発生した内部重力波の伝播により、精度の良い外側遠方の境界条件の設定が困難である。そのため、外部境界条件の工夫、例えば、内部重力波をできるだけ透過させるような境界条件の開発を行った。
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