2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24656127
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
佐々 浩司 高知大学, 教育研究部自然科学系, 教授 (50263968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮城 弘守 宮崎大学, 工学教育研究部, 助教 (90219741)
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Keywords | ダウンバースト / ガストフロント / 突風災害 / 乱流特性 / 室内実験 / 野外観測 / マイクロバースト |
Research Abstract |
回流水槽中に設置した小型タンクからリン酸二水素カリウム水溶液を落下させることにより移動マイクロバーストを再現し、鉛直断面と水平断面をレーザーシートで照射して同時に2断面の動的PIV解析を行い、床面付近における流速変動について調べた。流速の極大が観測される位置において流速時系列波形を見ると実際のダウンバーストと同様であった。その波形には時間スケールの短い境界層乱流によるものと思われる変動が多く含まれていたが、その振幅は瞬間最大流速の10%程度であり、突風の局在性にあまり寄与しないことを明らかにした。一方、瞬間最大流速の50%程度に及ぶ大きな変動の時間スケールは境界層乱流の時間スケールよりはるかに大きいことを明らかにした。 一方、マルチファン型風洞の下層一列のみを駆動してガストフロントの速度変動を再現して水平方向の変動を調べたところ、やはり大きな速度変動は見られず、境界層乱流が突風の局在性に寄与しないことを確認した。 水槽実験の水平断面においては、下降流が床面に衝突した後の外出流に局所的に極大流速が見られる場合とそうでない場合が見られ、極大流速が見られる場合の鉛直断面を見ると、下降流の周囲にあまり大きな渦ができることなく局所的に集中し、床面に着地する前に一部分裂する様子を確認した。局所的な流速極大域を移動マイクロバーストの補正スケーリング則により実スケールに換算すると、直径3000mで平均流速13m/sのダウンバースト内に直径300mm程度で30m/sの高速領域が存在することを明らかにした。これは超音波風速計列により実観測された局所的強風域(幅400m程度)に相当するものであった。これらのことより、ダウンバーストの局在性は主として降水に伴う下降流が周囲の円トレメントに伴う渦で減速されることなく、局所的に集中することが原因であることを明らかにした。
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Research Products
(4 results)