2012 Fiscal Year Research-status Report
交流電界誘起流体力の複合的利用によるマイクロ流路内ナノ粒子輸送
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24656131
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
本阿弥 真治 東京理科大学, 工学部, 教授 (30089312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
元祐 昌廣 東京理科大学, 工学部, 講師 (80434033)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | マイクロ流 / 界面導電現象 / ナノ粒子 / MEMS |
Research Abstract |
粒子輸送現象の評価の基礎となる,3次元計測用装置の開発,並びに交流電気浸透流・交流電熱流の各流れ場の3次元構造の定量化を重点的に行った. (1) 3D流動計測用装置の開発 交流電界誘起流の3次元構造を計測するため,現有の下方観察マイクロPIV用倒立顕微鏡に,側方観察マイクロPIVの組み込みが可能な実験システムを開発し,同一装置で基板水平方向及び垂直方向の3次元流動場の計測を可能にした.そして,ガラスに透明導電膜をパターニングした基板と透明シリコーン樹脂流路で構成されるマイクロ流体デバイスを製作した.側方・下方観察マイクロPIVから得られる速度場をそれぞれスキャニングして3次元再構成する手法を開発し,3D3C計測が可能であることを示した. (2) 各種流動場の定量化 交流電界印加時の流動場の3次元構造を詳細に計測し,複合利用のための基礎データを取得した.電気二重層厚さが厚くなるように低導電性水溶液 (< 1 mS/m) を用いて,kHz帯の交流電圧を印加して交流電気浸透流を発生させ,その流動場を周波数・電圧依存性を含めて精査し,イオン輸送,流動との関係を実験的に明らかにした.壁面近傍の粒子の抑制Brown運動を考慮した解析により,観察の実効高さが基板上約5μmとなることを求め,正確なデータの評価を可能にした.続いて導電率を高く(> 100 mS/m) 設定し,電気二重層を十分薄くすることで交流電熱流を発生させ,ジュール発熱に伴う物性分布による流れの計測を行い,周波数や電圧依存性について明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画をほぼ予定通り遂行できている.
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Strategy for Future Research Activity |
まずは前年度後半からの粒子輸送現象の評価を継続して行う.並行して,両現象が共存する流動場について,各流動現象の作用空間分布をパラメータ依存性とともに明らかにし,複合利用の可能性について検証する.最終的には高感度微粒子検出を行うための適用性評価を行う. (1) 粒子輸送現象・共存流動場の評価 粒子輸送現象を評価するため,電圧ON/OFFに伴う過渡応答を調べる.そして交流電気浸透流及び交流電熱流が共存する流れ場について,その寄与度合いの空間分布を明らかにし,その粒子挙動への影響について評価する.中程度の導電率水溶液 (1~100 mS/m) を用いて,この共存流動場の3次元構造を明らかにする.電圧を変化させ,各地点での局所速度と電圧依存性をマッピングし,両者の寄与度合いの分離を行う.共存流動場における粒子輸送現象について,双方の流動の粒子輸送への寄与を定量化し,高感度化への応用のための最適条件を見出す. (2) 複合流動を駆使した高感度化への適用性評価 交流電界が誘起する流動を用いた粒子輸送の応用例として,ナノ粒子の高感度測定に焦点を当て,複合流動制御による高感度分析への適用性を評価し,本技術の有用性を明らかにする.流体力の複合的利用によって流路内の所望位置によどみ点を形成し,そこへ粒子を滞留させて局所濃度を増加させる効果を,3次元LIFによる蛍光輝度分布から求められる濃縮率 (バルク濃度に対する局所濃度の比) を用いて評価する.局所濃度自体が増加しない場合にも,壁面近傍の流量が増加するように流動制御を行うことで同様に検出感度の増加が可能であり,本ケースについても評価を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度には,先に述べたように,粒子輸送現象と共存流動場の評価,並びに複合流動を駆使した高感度化への適用性評価を行う.そのために,多様な電極形状を有するデバイスを多数製作する必要があるため,観察用の実体顕微鏡を導入する.また,電極ガラスや蛍光粒子,ナノ粒子などの消耗品を購入する.他に,成果発表のための国内及び国外旅費にも使用予定である.
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Research Products
(7 results)