2013 Fiscal Year Annual Research Report
交流電界誘起流体力の複合的利用によるマイクロ流路内ナノ粒子輸送
Project/Area Number |
24656131
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
本阿弥 真治 東京理科大学, 工学部, 教授 (30089312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
元祐 昌廣 東京理科大学, 工学部, 講師 (80434033)
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Keywords | マイクロ流 / 界面導電現象 / ナノ粒子 / MEMS |
Research Abstract |
前年度から継続して実施している粒子輸送現象の評価を継続して行い,続いて,界面導電現象と電熱流が共存する場における,両現象の寄与度の空間的分布を明らかにするとともに,これまでマイクロスケールに限定されていた濃縮の対象粒子サイズをナノメートルオーダーへとスケールダウンすることに成功した. (1) 粒子輸送現象・共存流動場の評価 粒子輸送現象を評価するため,電圧ON/OFFに伴う過渡応答を調査し,濃縮の時定数を明らかにした.続いて,交流電気浸透流及び交流電熱流が共存する流れ場について,両現象の寄与度の空間分布を求めるため,中程度の導電率水溶液 (1~100 mS/m) を用いて,電圧を変化させた際の流速場を計測し,各地点での局所速度の電圧依存性をマップ化することで,両者の寄与度合いの分離を行った.その結果,基板近傍は電気浸透流が,遠方では電熱流が支配的であることを明らかにした. (2) 濃縮対象粒子のスケールダウン 交流電界が誘起する流動を用いた粒子輸送の応用例として,ナノ粒子の高感度測定に焦点を当て,流動制御による高感度分析への適用性評価を実施した.交流電気浸透流を対向するように発生させ,そのよどみ点に粒子が滞留されるような電極形状を考案し,その局所濃縮効果を,蛍光輝度分布から濃度へと換算し,濃縮率 (バルク濃度に対する局所濃度の比) を用いて評価した.また,異種材料への適用性を確認するため,金属ナノ粒子を用いて,その表面プラズモン共鳴による特異的光吸収を用いて吸光度の空間分布を求めて濃縮率を評価し,広範囲な材質のナノ粒子の局所濃縮が可能であることを示した.
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