2013 Fiscal Year Annual Research Report
高圧酸素燃焼における純酸素噴流拡散火炎の構造と安定機構
Project/Area Number |
24656133
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小林 秀昭 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (30170343)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 晃弘 東北大学, 流体科学研究所, 助教 (90709156)
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Keywords | 熱工学 / 燃焼工学 / 酸素燃焼 / 高圧燃焼 / 火炎安定限界 |
Research Abstract |
最終年度である本年度は,昨年度完成した試験燃焼器を高圧連続燃焼容器内に設置して実験を行った.火炎安定性実験では,側壁から垂直に及び主流ダクトにガスを供給するが,窒素で希釈した燃料(メタンまたはプロパン)および純酸素を切り替えて,純酸素噴流に対する実験も行った.これらにより,はじめに大気圧環境で側壁噴流速および主流速をパラメータとして火炎安定マップを作成したところ,吹き飛びに至る流速変化に対して,種々の火炎形態が観測された.特に側壁噴流速が大きい場合,噴流が対向壁に到達し主流前方に押し出す形で対向流型拡散炎が形成されることや,主流速が大きい場合には噴流火炎基部が離脱し,予混合型伝播火炎が形成される様子などが見られた.総じて燃料噴流の場合火炎安定限界は主流速支配であり,純酸素噴流の場合酸素噴流支配であることがわかった. 高圧環境(0. 5 MPa)における実験では,火炎安定限界と噴流速ならびに主流速との関係は基本的に大気圧環境と同様の傾向にあったが,高圧環境では噴流速が小さい場合に吹き飛び限界が存在し,特に低噴流速安定限界においては火炎振動が生じて吹き飛ぶという顕著な特徴が見られた.また,噴流上流側の主流助走距離の影響も大きく,助走距離が大きいほど火炎安定限界が狭いという結果も得られた.これは壁面境界層の発達が助走距離によるためで,高圧環境では境界層が発達するほど壁面への熱損失が増大する一方で,壁面から火炎が離れることによる火炎強度回復のヒステリシスが生じるためであると考えられる.汎用CFDコードを用いた大気圧および高圧環境の燃焼数値解析にも成功し,実験で得られた火炎形状を再現する事ができた.同時に流線が雰囲気圧力や噴流速ならびに助走区間の影響を受ける様子から,高圧環境における混合促進と火炎形成阻止という,相反する条件を満たす高圧混合装置の設計に有効な方策を提案できた.
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Research Products
(1 results)