2013 Fiscal Year Annual Research Report
極低温域を含む沸騰伝熱面温度と気液挙動の直接対比による三相界面熱伝達機構
Project/Area Number |
24656143
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
河南 治 兵庫県立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20382260)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 佑 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20402513)
江上 泰広 愛知工業大学, 工学部, 教授 (80292283)
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Keywords | 沸騰伝熱 / 気液二相流 / マイクロギャップ / 温度計測 / 感温塗料 |
Research Abstract |
本研究では、沸騰伝熱面の2次元温度分布を計測するため、感温塗料(Temperature-Sensitive Paint, TSP)を用いた基礎実験を実施した。伝熱面を鉛直下向きに設定し、冷媒に代替フロンである絶縁性流体FC-72を、伝熱面裏面には熱源として温水を流した。FC-72の流路は、幅10mm、長さ40mm、高さ0.5mmのマイクロギャップ流路とし、サブクール度13.9K、流量200mg/sに設定した。また、加熱源である温水は、試験部出入口温度差が0.5K以下となるよう十分な流量を設定し、本実験では加熱面温度(伝熱面の裏面)を339Kとした。伝熱面には、感温塗料を厚さ2.3μmで成膜し、沸騰挙動と温度計測は、ステレオビュワーシステムにて1台のCMOSカメラで撮影した。本年度は、昨年度に引き続き、FC―72を用いて上記のような詳細な実験を行い、実験結果を3次元非定常熱伝導解析などを実施して検討した。 まず、気液画像の背景差分処理をおこなう事で伝熱面上の微細気泡の把握が可能であり、気泡通過に伴う輝度の変化が明確に抽出できた。なお、予熱器での気泡生成が影響し、比較的大きな気泡が沸騰試験部で観測できたが、大気泡の尾部では薄液膜領域が存在していることが輝度解析から分かった。TSPによる温度計測では、気泡存在下では伝熱面温度が上昇し、液単相域では伝熱面温度が低下する現象が観測された。温度分布データから伝熱面の熱流束および熱伝達率分布を算出した。大気泡の内部領域では、負の熱流束が計測された。本件について、3次元非定常熱伝導解析にて詳細に検討した結果、基板表面(伝熱面)温度が急激に上昇する場合、基板温度応答性に起因して、基板内部の温度勾配が逆転していることが確認された。また、微小な沸騰気泡の後流部や大気泡の尾部では、伝熱面平均よりも1.2~1.5倍程度高い熱伝達率が確認された。
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Research Products
(1 results)