2014 Fiscal Year Annual Research Report
3次元動的力学刺激場の能動応用による再生治療用3次元ニューロンネットワークの創生
Project/Area Number |
24656150
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
小沢田 正 山形大学, 理工学研究科, 教授 (10143083)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 動的力学刺激 / 3次元振動ステージ / i PS細胞 / 分化誘導 / ニューロンネットワーク / ポリ乳酸多孔体足場 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では誘導因子に加え,3次元動的力学刺激環境を実現することにより,分化誘導から神経細胞組織のアクティブ立体培養を可能とする全く新たな手段の提言を目指した。すなわち,iPS細胞を用いた再生治療に貢献するため,生きている培養細胞に対し3次元の動的力学刺激を自在に付加し得る圧電駆動超小型3次元振動ステージを開発し,これまでとは全く異なる力学的原理に基づく3次元ニューロンネットワークの創生を可能とする革新的デバイスシステムの構築を目指し以下のように研究を実施した。 平成24~25年度の研究で開発した圧電駆動超小型3次元振動ステージを利用し,第一段階としてマウスiPS細胞(APS0001)の神経細胞への分化誘導促進法構築を行った。次いで,平成25~26年度はヒトiPS細胞(HPS0002)についても,神経幹細胞へ分化誘導し,次に神経幹細胞から神経細胞およびグリア細胞への分化誘導を試みた。生化学的分化誘導因子のみの場合とポリ乳酸(PLA:Poly Lactic Acid)多孔質体を足場材料として用い,振動ステージによる3次元動的力学刺激環境を複合させて用いる場合について比較実験を行った。さらに分化誘導効率,分化所要時間,分化細胞の健全性について比較検証を行った。 以上の研究より,マウス神経細胞については,10Hz程度の振動刺激を付加した場合,ニューロンネットワークを広く伸展させる効果があることを確認した。ヒト神経細胞については,長時間振動刺激を付加し続けることで,運動神経細胞への分化が促進されることが明らかになった。また1, 5, 10Hzいずれの振動刺激も,静置培養時よりもニューロンネットワークの成長を促進させることが明らかになった。さらに,振動方向とニューロンネットワークの伸展方向には相関が存在し得る可能性を見出した。
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