2012 Fiscal Year Research-status Report
多重モード強力超音波振動子の革新的デバイスへの応用
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24656153
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森田 剛 東京大学, 新領域創成科学研究科, 准教授 (60344735)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 強力超音波応用 / 近接音場浮揚 / 非線形現象 |
Research Abstract |
強力超音波技術は、医療、加工、化学プロセス等の分野で幅広く応用されている。これらの従来技術では、単一モード共振による正弦波の超音波振動が利用されていたが、多くの強力超音波照射効果は非線形現象と強く関連している。従って、振動波形に自由度を加えることにより、新しい効果を見出す可能性が高い。 本年度は、本研究を遂行するにあたって重要な多重モード振動子の開発を行った。この振動子は、振動子形状を変化させることにより、基本周波数モードと高次モードの共振周波数比を精密に制御することができる。この結果、共振周波数比を1:2.001にすることができた。基本周波数は20.84kZである。この振動子を用いて、近接場音場浮揚の実験を行った。基本モードは固定しておき、高次モードの位相を変化させながら浮上特性を評価したところ、位相差の変化に伴い、すなわち、振動波形を変化させることによって、浮上特性が大きく変化することが明らかとなった。これは、提案するように、強力超音波技術が非線形現象を利用していることを実証したことになる。実験結果を従来のモデルで説明しようとしたが上手くいかなかったので、空気軸受けで良く用いられるポアソンの法則を導入した。この結果、提案手法で浮上特性が大きく変化することを上手く説明することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で重要なデバイスとなる多重モード振動子の設計を行い、共振周波数比を微調整することが可能となった。この振動子を用いることにより、近接音場浮上における波計依存性を明らかにすることができた。この結果は、他の強力超音波応用技術への展開を示唆するものである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、近接場音場浮揚の特性に対する振動波形依存性について、より詳細な実験を行い、それを今回構築した浮揚モデルによって説明することを試み、提案手法の有効性をより確固たるものにする。さらに、他の強力超音波応用技術への展開を試みることで、多重モード振動子の有効性を高める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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