2013 Fiscal Year Annual Research Report
多重モード強力超音波振動子の革新的デバイスへの応用
Project/Area Number |
24656153
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森田 剛 東京大学, 新領域創成科学研究科, 准教授 (60344735)
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Keywords | 音響エネルギー / 超音波工学 |
Research Abstract |
強力超音波は、医療における胆石粉砕、機械加工における加工反力の低減、キャビテーションによる化学プロセス促進など、様々な工業分野で応用されている。しかし、従来技術では単一の周波数で駆動される超音波振動を利用するだけであり、単純正弦波に限定されていた。これに対して、本研究で提案する多重モード振動子では、共振周波数比が1:2となる高次モードを持つように設計しているため、2つの単振動を重ね合わせることによって、様々な波形を有する超音波振動を励振することができる。すなわち、二つの位相差や振動振幅比を調整することによって、ノコギリ波や台形波などが強力超音波と得ることが可能となる。 本研究では、ランジュバン振動子を段付き構造とし、段付き位置を微調整することができる工夫をして多重モード振動子を試作した。これを用いて、超音波ポンプと近接場音波浮揚機構へと展開応用した。この二つのアプリケーションでは、流体の非線型現象を利用した駆動を基本原理としているために、同一入力パワーでも波形を最適化することにより、より効率的な駆動が可能となることが明らかとなった。具体的には、1次モードと3次モードの振動振幅比は固定しておき、位相を変化させて浮上量を測定した結果、上付き台形波の振動となったときに、最大の浮上量を示すことを確認した。この現象を明らかにするため、近接場音場浮揚機構における浮上力のモデルをポアソンの法則から導かれる非線形性に着目して構築し、実験結果を定性的に明らかにするとともに、提案手法の妥当性を導き出すことに成功した。
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Research Products
(2 results)