2013 Fiscal Year Research-status Report
非侵襲生体計測とアクアダミーによる安心快適なシート設計・評価技術
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24656154
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金子 成彦 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70143378)
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Keywords | 振動解析・試験 / 乗り心地 / 疲労 / 快適性 / 自動車 / 流体構造連成 / バルジング / 加振実験 |
Research Abstract |
目下、二酸化炭素排出量削減のために車体の軽量化が強く求められており、シートの軽量化にも大きな関心が集まっている。しかしながら、軽量シートは乗り心地の悪化や乗員の疲労感の増大を招く恐れがあり、軽量化と乗り心地との両立が求められている。シートは、乗員と機械構造物とのインターフェイスとして大変重要な要素で、衝突時に身を守る安心感を与えるだけでは不十分で、疲労感を感じさせない設計が求められている。 従来からシートの安心快適性評価は、被験者によるものが中心で多くの時間が掛かっていた。過去に人体ダミーを開発した例はあるものの、低周波領域の周波数応答のみが再現できるものに留まっており、高周波数領域での評価に適したものは開発されていない。 本研究の目的は、シートの安心快適性を評価するために、スライムを詰めた複数の柔軟なタンクによって構成される、低周波数領域と高周波数領域の両方の帯域における乗り心地や疲労感の定量的な評価を可能とする標準ダミーを開発することである。研究は、①ダミーの設計手法の開発、②この手法の妥当性の検証、③開発した手法を適用しての人体ダミーの設計製作、④乗り心地及び疲労感の人体データとの比較検証の4つのパートから構成される。目下のところ、ダミーの設計手法の基礎となる計算アルゴリズムの開発と手法の検証の部分が完了している。このアルゴリズムは、流体構造連成(FSI)解析技術を適用して静的及び動的特性の予測を行うもので、具体的には以下の解析を行うことになる。 (1)1つのタンク要素について液体を内蔵したシェル構造物として扱い、バルジング振動の解析を実施、(2)複数のタンク要素を連結した場合について振動解析を実施し、周波数応答の取得、(3)背部と臀部とシート座面の圧力分布を計算し、乗り心地の定量指標につなげる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究は、①ダミーの設計手法の開発、②この手法の妥当性の検証、③開発した手法を適用しての人体ダミーの設計製作、④乗り心地及び疲労感の人体データとの比較検証の4つのパートから構成されるが、①と②は完了しているものの、③と④をこれから実施することになる。実物大の大きさのダミーを製作することになるが、試作方針、材料の手配等、段取りを至急つける必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
研究に協力して頂ける企業と協力して、実物大のダミーの試作に着手する予定である。その後、大型加振台を利用して、乗り心地及び疲労度の評価を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
乗り心地を定量的に評価するための小型のダミーの試作と小型の加振器による実験は前年度までに実施し、所望の結果を得ることができたが、実物大の大きさのダミーの試作に取り掛かるには至らなかったため、次年度に繰り越した。 繰越した予算は、実物大の大きさのダミーの試作費用に充てる予定である。
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Research Products
(7 results)