2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24656155
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
森下 信 横浜国立大学, 環境情報研究院, 教授 (80166404)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 機械力学 / 制御機器 / 微小ばね / マイクロマシン / 固有振動数 / 減衰 / 光減衰作用 |
Research Abstract |
本研究では,線径20ミクロン,直径が300ミクロンのコイルばねと球による1自由度振動系を構築し,この微小振動系にレーザ光の放射圧を利用した減衰を作用させることを試みた.マイクロマシンの開発は研究レベルで積極的に進められているが,単に通常の機械の寸法を小さくしたものが多く,動力学特性を考慮した研究はほとんどない.そこで,マイクロマシンを極力単純化した微小ばねー質量系に対して振動特性を把握し減衰を与えることを試みた.まず減衰特性を実験的に把握し,次いでレーザ光によって減衰を与える可能性について実験的に検討した.このような微小振動系の振動実験を行った研究例はほとんどなく,ばね質量,ばね部材の構造減衰,空気抵抗,静電気力等の影響で,理論値とは異なることが予想された.質量の変位測定にはハイスピードマイクロスコープを利用した.この実験系で振動特性が得られたが,特筆するべきは減衰作用が極めて小さいことであった.また静電気の作用は比較的大きいので実験で初期変位を与える際に注意を要した.さらに,光放射圧を用いたダイヤモンド球の運動制御のための光学系を構築して,レーザ光の放射圧による減衰作用の定量的同定を行ったが,振動系が大きく光放射圧による減衰作用は得ることができなかった.この減衰効果を活用するためには,さらに小型・軽量の振動系が必要とされるが,現時点でコイルばねを使用する限りは限界であり,光放射圧以外の減衰作用を利用を検討する必要がある.
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