2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24656157
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
増田 新 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (90252543)
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Keywords | エナジーハーベスティング / 振動発電 / 非線形振動 / 引き込み / 双安定 |
Research Abstract |
本研究は,ハードニング特性を有する振動子に機電変換器を組み込み自励発振制御を行うことにより,広帯域で高出力を発揮することのできる新しい振動発電デバイスを実現するものである.研究期間全体を通じて実施した研究の成果を以下にまとめる: (1)ハードニング振動系に負荷切替回路を接続した自励振動系について二種類の負荷切替則を適用した場合の求解を平均法および数値解析によって行い,加振振動数,加振振幅としきい値に対する高エネルギ解の大域的安定性の依存性について解析した.その結果,大域的引き込みが生じる条件は平均法解析によって得られるものより厳しく,しきい値の適応的制御が必要であることが示唆された. (2)負荷切替による自励発振回路の開発を行い,電磁型のハードニング振動子に適用して,自励発振による高エネルギ応答への引き込み制御の効果を実験的に評価した.また,位相縮約理論による引き込み解析および数値解析を併用してより効率的な引き込み方法の検討を継続し,状態量に応じて正負の抵抗値をきめ細かく切り替える新しい制御アルゴリズムを提案した. (3)片持ちはり振動子の両側にストッパを設置することによってハードニング特性を付与した衝突振動子に,振動子のポテンシャル形状の整形の自由度を拡大するために永久磁石を追加して双安定化を行った.正弦波掃引による応答解析および実験によってポテンシャル形状と発電性能の関係の整理と物理的考察を行い,高エネルギ解の広帯域化の観点から最適なポテンシャル形状を導いた.外乱作用下における高出力応答の維持のためには上述の引き込み制御の適用が必要であり,継続して検討中である. (4)(3)で述べた双安定ポテンシャルの利用をさらに展開して永久磁石によるプラッキングの利用を検討し,回路切替技術の併用によって低周波入力に対するエネルギ変換効率を大幅に拡大できる見通しを示した.
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