2014 Fiscal Year Annual Research Report
先駆的有機稲作方法を実現する自律移動型田面改質ロボットの研究
Project/Area Number |
24656166
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
山田 泰弘 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40220412)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ロボット / 農業用ロボット / 自律移動 / 抑草 / 除草 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度に,実環境である稲作期間の水田環境で田面改質ロボットによる実験および実験室内に構成した水田環境で田面改質ロボットによる実験を実施した.自律移動のために前方障害物を検出するためのレーザレンジファインダー(LRF)について,田面移動時に水面からの高さを超音波センサで検出してLRFの位置制御を行い,傾角センサで本体の傾角を検出して不整田面移動中に本体が傾いてもLRFのセンシング方向を水面に水平に維持して適切なセンシングができるようにLRFの傾角を制御する構成にした.この構成により,凹凸のある田面を移動する際のLRFのセンシング高さと方位を安定化し,水田環境での自律移動と抑草作業を実現した.抑草効果は,実験室内に構成した水田環境での実験と稲作期間の水田環境で適切に得られることを確認した.研究成果は,国際会議および国内学会において発表した. 研究期間全体を通して,稲作において,代掻き後に,特定の力学的負荷を田面に与えることによって,芽生え期の雑草の生長を阻害でき,無農薬で雑草を排除できる先駆的有機稲作方法の機械化・自律化の実現を目的として,田面改質ロボットを試作した.その田面改質機能による雑草生長の抑制効果を実環境の水田において実証し,その萌芽的基盤技術を確立した.田面改質ロボットは,水田の条間をLRFによって障害物検出して自律移動する小型構成であり,照明を必要としないため夜間でも抑草作業を自律的に行える.また,本研究で取り上げた稲作初期の抑草用アームによる抑草作業の他に,稲作中期には抜草アームに交換して抑草後に残った雑草を抜草・回収する抜草アームによる抜草回収作業,稲作後期には種をつけた雑草穂部を切草・回収する切草アームによる切草回収作業もできるように,アーム交換して稲作前・中・後期の全期にわたって総合的雑草対策が可能な自律移動ロボットの完成に向けて研究を展開している.
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