2012 Fiscal Year Research-status Report
低侵襲な細胞操作用ナノツールのエクスチェンジャーシステムの構築
Project/Area Number |
24656167
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中島 正博 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80377837)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 敏男 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70156785)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ナノツール / エクスチェンジャーシステム / ナノマニピュレーション / 細胞操作 / 自動化 |
Research Abstract |
本プロジェクトでは,細胞を利用した様々なニーズである,再生医療などの医学的ニーズ,細胞システムの解明などの生物学的ニーズ,細胞計測・操作デバイスや細胞解析システムの実用化,ナノマニピュレーションシステムのエンドエフェクタ交換の自動化などの工学的ニーズに応える革新的かつ先端的な技術及び機器として,ナノツール・エクスチェンジャーシステムを構築する.これにより,試料室の開放を必要とせず,①異なるナノツールを自在に用いた細胞計測・操作,②ナノツールの劣化・破損の際の交換,③複数のナノツールを同時に利用した同時計測による計測時間の短縮化,を行うために,環境制御型電子顕微鏡内で連続的かつ短時間にナノツールを交換するナノツール・エクスチェンジャーシステムを構築する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に目的とした,ナノツール・エクスチェンジャーシステムの機構を基本的な駆動装置・原理・有効性を確認することができた.これまで構築してきた環境制御型電子顕微鏡内ナノマニピュレーションシステムでは,ナノツールを交換する際は,試料室を大気開放し,手作業で交換する必要があったが,試料室内でナノツールを連続的かつ短時間に交換するナノツール・エクスチェンジャーシステムを構築した. 具体的には,各種ナノツールを装着可能なナノツールアダプタを開発し,ナノツールの交換方式を標準化した.ナノツールアダプタを介してナノツールを交換・回収するためのナノツール取り付け機構を開発し,ナノツールの固定・リリースが自在な装置を構築した.また,ナノツールをナノツールホルダ内にナノツールの使用目的・機能ごとに収納することで,ナノツールの交換を効率化する設計とした. また実際に細胞操作への応用として,イースト細胞を対象として,異なるナノツールを用いた細胞ピックアップ実験を実施した.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,構築したナノツール・エクスチェンジャーシステムを,実際の細胞解析へ応用する.具体的には,目的とするナノツールを使用するために,ナノツールアダプタを介して,ナノツール取り付け機構によりナノツールを装着し,細胞解析を行う.ナノツールの劣化が起きたり,異なるナノツールを用いて作業を行うために,ナノツールアダプタを介して,ナノツールボックス内に使用済のナノツールを回収した後に,新しいナノツールに交換する.使用目的に応じて連続的かつ短時間にナノツールを交換するために,ナノツールボックスに記録された各種ナノツールの交換情報を基に,ナノツール交換作業を効率化するためのシステムを構築する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主に下記の項目への使用を予定している. ・ナノツール・エクスチェンジャーシステムをの装置の小型化・高精度化を行うための材料・機械部品など ・ナノツール・エクスチェンジャーシステムの各種ツールの交換情報を電気的に取得するための装置を設計するための電気・電子部品など ・ナノツールを作製するための材料・部品費など ・環境制御型電顕内の作業に必要な固定部品,安全保護用品など ・細胞培養・解析用物品など
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