2013 Fiscal Year Annual Research Report
筋シナジーに基づく多チャンネル型機能的電気刺激による運動学習の支援
Project/Area Number |
24656170
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮崎 文夫 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (20133142)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植村 充典 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (00512443)
平井 宏明 大阪大学, 基礎工学研究科, 講師 (60388147)
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Keywords | 機能的電気刺激 / 筋シナジー / 筋電 / 運動支援 / FES |
Research Abstract |
本研究では, 典型的な日常動作である到達運動や歩行運動をタスクとして扱う。申請者らの過去の研究において、EMG(筋電位)パターンから筋活動の協調関係(筋シナジー)を抽出しタスク変数で表現された運動指令を推定する技術(特願2009-212149)を用い、 (1)筋活動がパターン化され、(2) 関節拮抗筋ペアの筋電位比率と運動パターンが著しく一致する、という大きな2つの知見を得ている。平成24年度には、人工的に与えた筋拮抗比・筋活性度を電気刺激パターンに変換し、拮抗筋ペアを同時電気刺激することにより、意図通りの関節運動が生成できることも確認した。これに基づき、動作中のEMGから筋シナジーおよび運動指令を抽出・推定し、電気刺激パターンに変換する方法を提案した。 ユーザ個人の運動に応じた電気刺激(刺激パターンとタイミング)を適切に行うためには、各ユーザに依存した身体運動モデル(筋コマンド生成モデル)の同定が従来では必要であった。しかし, 出力である筋活動は複雑な非線形性、時変性を有し、また動作履歴にも依存することから、その陽な表現を得ることは極めて困難である。平生25年度には、新たに提案した力学解析に基づく筋シナジー抽出法を用い、協調的な電気刺激パターンを生成する方法を提案した。本方を用いれば、複雑な非線形変換を用いること無く、四肢を物理的な観点(平衡点と剛性)から制御できる。実際、実験により個人差が少なく高精度な制御が可能なことを確認した。また、電気刺激付加に伴う筋シナジーや中枢からの運動指令の変化に着目し、ヒトの身体運動に関わる長いスパンの適応機能のモデル化も試みた。
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Research Products
(7 results)