2013 Fiscal Year Annual Research Report
衝撃圧力による細胞間接着タンパク質の発現低下が引き起こす組織崩壊のメカニズム解明
Project/Area Number |
24656175
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
青村 茂 首都大学東京, システムデザイン研究科, 教授 (20281248)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中楯 浩康 首都大学東京, システムデザイン学部, 助教 (10514987)
藤原 敏 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20173487)
角田 陽 東京工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (60224359)
|
Keywords | 毛細血管 / 細胞間接着タンパク質 / 衝撃圧力 / 組織崩壊 / 脳内点状出血 |
Research Abstract |
本研究では,血液脳関門(BBB)の破綻と共に,赤血球や血漿といった血液構成要素が血管外に漏出するメカニズムを明らかにする為に,以下の手順に従って衝撃圧と内皮機能障害における透過性変化の関係性について調査した. (1)血管壁を模擬した内皮細胞からなるチューブ状ネットワークモデルの作成,(2)衝撃圧負荷装置の開発とモデルへの負荷実験,(3)経内皮透過性の測定. その結果,経内皮透過性測定において本実験で負荷した正・負衝撃圧により内皮透過性は亢進され,また経内皮電気抵抗値測定において負圧衝撃は細胞間隙透過性に影響を与える可能性が示唆された. 上記の結果を受けさらに,血管内皮細胞に衝撃圧力を負荷した際の,負荷前後における透過性や細胞間接着力の変化を調べるために特に,衝撃圧力の振幅と持続時間の違いによる影響の差に着目し,衝撃圧力のどの要素が血管内皮細胞の透過性亢進,接着力低下に影響を及ぼすのかを調査した.継代数4のヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)を用いた衝撃圧力負荷実験の結果,圧力の振幅の大きさに比例して内皮細胞からなるチューブ状ネットワークが継時的に減少し,持続時間の短い圧縮圧力と引張圧力による血管内皮透過性の亢進が大きい傾向が見られた.これらを総合的に判断した結果,内皮細胞間をつなぐ接着タンパク質であるカドヘリンの減少と共に内皮細胞の組織的結合が崩壊したと結論付けられる.
|
Research Products
(5 results)