2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24656177
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
橋本 周司 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (60063806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 真吾 芝浦工業大学, 工学部, 助教 (40424808)
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Keywords | ソフトメカニクス / 自己組織化 / 構造・機能材料 / ケミカルロボット / ゲルロボット |
Research Abstract |
ゲルを身体とする化学ロボットを実現することが本研究の目的である.そのために,ゲルに移動などの機能を持たせると同時に,異なる部品ゲルの組み合わせによる自己組み立てを実現するためのゲルの接着と位置合わせの方法を検討した. 移動機能に関しては,前年度にpH応答性の管状ゲルを作製し,酸触媒反応である臭素酸―亜硫酸反応(BS反応)とのカップリングによる収縮波の生成に成功している.これにより,中空内で蠕動運動によって物体運搬するゲルアクチュエータも実現した.今年度は,無水オレイン酸を含む油滴が塩基性水溶液中で自走する化学反応系を,三重ノズルを用いたアルギン酸ゲル化手法により包みこんだ球状のゲルカプセルを作製し,無水オレイン酸の加水分解エネルギーのカプセルの回転運動エネルギーへ変換できることを確認した.また,新たな油滴の自走現象も見出すことができた. 一方,高分子ゲル部品の自動組立の実現に向けては,前年度までに表面にシリカの微粒子を塗布することによって接着性能が向上することを力学測定により検証し,接着力がpHによって制御できることも見出している.また,ゲル部品を複数用意してこれらを水中撹拌下で確率的に出会わせ,部品間の静電相互作用により組み立てることに成功した.今年度はさらに,部品形状の工夫により、部品の接着方向の制御及び部品間の位置合わせに成功した.また、フォトパターニング手法を用いたゲル部品の作製を試みた.この手法により,ゲル部品を均一に大量に作製することができるが、このとき問題となる透析時のゲルの膨潤について,ゲル組成の吟味により,これまで体積比で約6倍だった膨潤度を1.5倍まで下げることに成功した. 以上により,ゲル部品による自己複製型ロボットの実現の見通しを得ることができた.今後はさらに機能を付加すること,および自己組み立ての歩留まり向上などの課題に取り組んで行きたい。
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Research Products
(6 results)