2013 Fiscal Year Annual Research Report
極異方性Sm‐Fe‐Nボンド磁石を用いた大トルクモータの開発
Project/Area Number |
24656180
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 健二 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70323061)
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Keywords | 永久磁石モータ / 省レアアース / 電気自動車 |
Research Abstract |
昨年度は有限要素法(FEM)の電磁界解析により、極異方性Sm-Fe-Nボンド磁石を用いたアウターロータ型表面磁石(SPM)モータの最適構成について検討を行った。その結果、従来のNd-Fe-B焼結磁石を用いたモータとほぼ同等の性能が得られることが明らかになった。一方で、SPMモータは電機子反作用磁界の影響を受けやすいため、永久磁石が不可逆減磁してしまう懸念がある。 本年度は、上記の成果をさらに発展させるため、埋込磁石(IPM)型について検討を行った。一般にIPMモータはSPMモータよりも電機子反作用磁界の影響を受けにくく、またマグネットトルクに加えて、リラクタンストルクも併用できるため、トルクの向上が期待できる。 検討の結果、回転子を2層のフラックスバリア構造とし、電機子反作用の影響を受けやすい第1層目に少量のNd-Fe-B焼結磁石を入れ、第2層目にSm-Fe-Nボンド磁石やフェライト磁石を入れることで、不可逆減磁をほぼ完全に防げることが明らかになった。また、トルクについても、Sm-Fe-Nボンド磁石よりもさらに磁束密度が小さいフェライト磁石を用いたとしても、従来のNd-Fe-B焼結磁石を用いたモータに対して、1.2倍のトルクが得られることが明らかになった。 上記の結果に基づき、2層フラックスバリア構造のアウターロータ型IPMモータを試作し、実証実験を行った。なお、Sm-Fe-Nボンド磁石の調達について、納期や費用の面で問題があることが判明したため、フェライト磁石で代用したが、解析結果と同様に、従来のNd-Fe-B焼結磁石を用いたモータに対して、1.2倍のトルクが得られることが実証された。
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Research Products
(2 results)