2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24656183
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
藤本 康孝 横浜国立大学, 工学研究院, 教授 (60313475)
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Keywords | 電気機器 / モータ / 分極 |
Research Abstract |
本研究では、従来の電磁モータで一般的に利用されている伝導電流や磁化電流とは異なる、分極電流によるローレンツ力を利用した新しい原理のモータを試作し、検証することを目的としている。 2年目の2013年度は、初年度に試作したモータの共振周波数での駆動を行った。さまざまな材料を対象物体として実験を行った。まず、対象物体の形状、大きさ、および、誘電率によって、コンデンサ容量が変化するため、これをLCRメータで測定した。また、ガウスメータを用いて、ギャップ磁束密度を測定し、電磁界解析の結果との比較を行った。漏れ磁束の存在を考慮して磁気回路モデルを修正し、力の発生モデルの修正を行った。さらに、このモータで対象とする周波数帯域では、コイルの浮遊容量が存在することから、これを考慮した等価回路モデルを提案し、力の発生モデルの修正を行った。提案した等価回路モデルの定数は、開発モータのインピーダンスの周波数特性の実測値に基づいて推定を行い、モデルのインピーダンス周波数特性が実測値によく一致することを示した。2次側対象物が導体の場合、および、誘電体の場合にそれぞれ実験によりモータの発生力を測定し、導体の場合に約1.7mgf、誘電体の場合に約0.58mgfの力の発生を観測した。新原理モータにおいて、ごく微小ながら物体に力が働いていることを確認した。 以上の結果について、電気学会基礎・材料・共通部門大会、および、電気学会産業計測制御/メカトロニクス制御研究会にて発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2013年度は、初年度に開発したモータによる駆動を目標としており、おおむね当初の目標は達成された。 開発したモータのインピーダンスの周波数特性の実測値に基づいて、等価回路モデルを提案し、推定したパラメータを用いたモデルと実測値がよく一致することを示した。2次側対象物が導体の場合、および、誘電体の場合にそれぞれ実験によりモータの発生力を測定した。導体の場合に約1.7mgf、誘電体の場合に約0.58mgfの力の発生を観測し、新原理モータにおいて、ごく微小ながら物体に力が働いていることを確認した。 以上のように、おおむね当初の計画通り研究が進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
2013年度に観測したモータの発生力は、きわめて小さいため、推力を増大させる改良を行う。具体的には、初年度に製作したコアの材質は高周波における透磁率の減衰が大きいため、減衰の比較的少ないものに変更する。また、高周波域において、巻線の被覆による浮遊容量の影響が大きいため、材質を変更し、その影響を低減する。以上の改良を行ったのち、実験機を用いて等価回路パラメータの同定を再度行うとともに、推力発生実験を行い、提案モータの原理検証を行う。
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