2013 Fiscal Year Research-status Report
放電・材料相互作用統合モデリングによる革新的ナノコンポジット材料の創製
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24656193
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
永田 正義 兵庫県立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00192237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 祐介 兵庫県立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00433326)
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Keywords | ナノコンポジット線 / インバータ駆動モータ / ナノ粒子の分散 / 部分放電開始電圧 |
Research Abstract |
パワエレ技術を使った省エネに優れたインバータ駆動モータが電気製品や産業機器用モータだけでなく、ハイブリッドカー(HEV)や電気自動車(EV)、航空機および風力発電等々の幅広い市場で開発・実用化され急速に生産が拡大している。しかし、インバータサージによる部分放電発生によるモータ巻線の絶縁劣化が危惧されている。 本研究ではインバータ駆動モータのエネメル巻線の部分放電特性を調べ、その耐サージ特性を明確にする。本年度の実験では、ツイストペアを用いて、繰り返しインパルス電圧パルスの波形に対する部分放電開始電圧(RPDIV)を調べた。その結果、パルス幅が長くなるにつれて、RPDIVが低下し、一定値に近づいていくことが分かった。 ナノ粒子の分散状態はナノコンポジット材料の誘電・表面特性を決定する上で重要な役割を果たしている。本年度の実験ではナノコンポジットエナメル線の絶縁被膜中のナノ粒子の分散状態を高精度に測定するために、大型放射光Spring-8施設の兵庫県ビームラインBL08B2において、小角X線散乱(SAXS)測定のトライアル計測を行うと同時に来年度の本格実験に向けた準備を行った。電線メーカーから提供を受けたナノコンポジットエネメル線の分散状態は良好であるが、ナノ粒子サイズ(約20 nm)にばらつきが大きいことが分かった。放射光SAXS測定のX線ビームは非常に細い(φ300μm以下)ため、細い金属配線材料へ正確にX線照射するために試料を高精度に位置決め可能なステージが必要である。そこで来年度のSAXS計測実施に向けて精密試料ステージの整備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Spring-8放射光施設でのナノ分散状態を調べるためのSAXS計測は本年度に実施する予定であったが、Spring-8施設が半年間休止したため、計測ステージの改良は実施できたが、計測そのものの本格実施は遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度5月からSpring-8放射光による耐サージエネメル線のナノ粒子の充填率を変化させて、分散状態を詳しく調べる予定である。また、各充填率に対するエネメル線を製作し、部分放電開始電圧と寿命特性を明らかにする。この結果をもとに最適な充填率が求まり、高性能なナノコンポジットエネメル線を開発する。また、この巻線を用いたモータのステータ部分を製作し、その絶縁特性を調べる予定です。
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Research Products
(1 results)