2013 Fiscal Year Research-status Report
両親媒性によらない単分子膜作製と金属ナノ粒子触媒の新規配列制御
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24656199
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
串田 正人 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70177989)
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Keywords | 垂直配向カーボンナノチューブ / 金属ナノ粒子 / 金属触媒 / ラングミュア-ブロジェット膜 / 燃料電池 / 分子エレクトロニクス / 近接場光学 / 機能性有機超薄膜 |
Research Abstract |
[内容] (1)LB法を用いた金属ナノ粒子触媒によるVA-CNT本数密度および直径制御を(a)金属ナノ粒子触媒のLB膜作製,(b)フィラー(邪魔)分子混合によるVA-CNT本数密度制御,(c)コア(成長触媒金属微粒子)-シェル(シリカ被覆膜)型微粒子のLB膜担持よるVA-CNT本数密度制御を行った。次に燃料ガス透過性に重要なCNTの直径分布の測定を行った。 革新的応用開拓の二つ目として,(2)燃料電池電極VA-CNTのアイオノマー塗布工程へのLB法の適応を以下の手順で行なった。(d)アイオノマー高分子のLB膜化,(e)LB膜のVA-CNTへの含浸方法の開拓,(f)1cm角燃料電池セルの開発を行った。 [意義] 燃料電池電極に使われる白金触媒担持量の削減のためにVA-CNTを白金担持体として用いるにはCNTの垂直配向化と本数密度および太さ制御が必要である。また燃料ガス透過性を評価するためにVA-CNTの本数と太さを独立に制御する意義は大きい。また、固体電解質としてのアイオノマーのVA-CNT含浸技術を開発することは燃料電池性能を大きく左右するものである。今回金属触媒累積がLB法で達成され、アイオノマーのVA-CNTへの含浸技術を開発する意義は大きいと考える。 [重要性] 燃料電池性能を向上させるためにプロトン伝導性、電子伝導性、ガス透過性の向上が求められており、VA-CNTの本数密度、直径制御を行うことは重要であるが、従来のVA-CNT成長触媒担持法であるスパッタ法や真空蒸着法は独立制御が困難であった。LB法は触媒ナノ粒子をナノ粒子のままで直接基板に担持できるので、簡便にしかも均一に触媒を配列制御できる。したがって今回開発しているLB法による触媒ナノ粒子担持は燃料電池性能向上のためにきわめて重要であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は,革新的なLB法応用の開拓のひとつとして,(1)LB膜触媒担持によるVA-CNT直径と本数密度制御を(a)LB膜成長触媒微粒子のLB膜作製,(b)金属ナノ粒子とフィラー粒径の違いとLB膜の均一化と配向性評価、(c)コア(成長触媒金属微粒子)-シェル(シリカ被覆膜)型微粒子のLB膜担持よるVA-CNT成長本数密度制御の順に行う計画で進捗状況は以下の通りである。(a)金属ナノ粒子のLB膜化は達成できた。(b)フィラー分子混合LB膜は脂肪酸を混合した高密度ではほぼ達成できた。脂肪酸を用いた低密度ではCNTが垂直配向しないものがあったが、脂肪酸の炭素数を変化させることと塗布溶媒の探索によりCNTの垂直配向がほぼ達成できた。フィラー分子にシリカゲルをもちいた場合、CNTは垂直配向するものの本数密度制御はまだ十分に行えていない。(c)コアシェル型微粒子を用いた場合にCNTが垂直配向し、かつCNTの本数密度制御が行えるようになった。しかし、CNT本数密度制御のためにはさらにシェル層の構造制御が必要であることがわかってきた。 革新的応用開拓の二つ目として,(2)燃料電池電極VA-CNTのアイオノマー塗布工程へのLB法の適応を以下の手順で行う。(d)LB膜のVA-CNTへの含浸方法の開拓,(e)1cm角燃料電池作製の順で行う計画で進捗状況は以下の通りである。 (d)VA-CNTとアイオノマーの親和性と溶媒によるVA-CNTのバンドル化のために含浸は現段階で困難で、さらなる検討が必要である。(e)燃料電池性能評価のために1cm2程度の試料作製に成功した。さらに、CNTの長尺化のために酸化アルミニウム基板使用の検討を始め、CNTが長尺化しつつある。 一部研究計画の進展に遅れの見られるものもあるが、以上の理由により当初の研究目的はおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
[今後の方針] 1.フィラー分子混合LB膜を用いてVA-CNT成長用触媒の金属ナノ粒子の熱凝集を防ぐことにより粒径と個数密度を制御するために、フィラー分子の探索を前年度に引き続き行う。具体的には炭素鎖の異なる脂肪酸を用いることで、LB膜分子の配向制御を検討する。また熱凝集を防ぐためにシリカナノ粒子などの耐熱性ナノ粒子を探索する。 2.これまでの前駆的な研究において,金属触媒微粒子をコアに,シリカ被覆膜を外皮シェルとするコアシェル粒子の作製とそのVA-CNT成長を試みている。この手法によれば,コア粒径を同じまま,外皮のシェル膜厚を制御することで触媒配置間隔を自由に制御できると考えた。しかしながら,フッ酸のエッチング工程においてエッチングを停止することが極めて困難であることが分かった。基板への担持方法はLB法に必ずしも限定されることはなく,SiO2基板とSiO2シェルを持つ微粒子は親和性が高く,半ば自己組織的に融着することも期待できる。さらに酸化アルミニウム上に金属触媒ナノ粒子を担持することでVA-CNTの長尺化が期待されるので、このメカニズムについて,考察することでCNT成長に関する新たな知見を得ることが期待される。 3.また、新たにシェル層の構造を制御することにより、VA-CNTの成長過程での加熱によってコアの金属触媒ナノ粒子がシェル表面に移動する特異な現象が確認された。すなわち上記2.の手法によらない全く新たな発想でコアの金属ナノ粒子の触媒活性を得られる可能性が出てきた。この手法を使えばフッ酸などの環境負荷の高い試薬を使うことなく、また、熱CVDと同時にコアの触媒金属がシェル表面に移動するので簡便にしかも短時間でVA-CNTを成長させることができると考え、実験を進める予定である。
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Research Products
(14 results)