2013 Fiscal Year Annual Research Report
高速性と低消費電力性を両立するフッ化グラフェンデバイスの創製
Project/Area Number |
24656202
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
波多野 睦子 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (00417007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 孝之 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (80454031)
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Keywords | グラフェン / 低消費電力デバイス / 化学修飾グラフェン |
Research Abstract |
本研究は、省エネルギースイッチングデバイスをターゲットとして、新規な2次元カーボン膜であるフッ化グラフェン膜を創製、その特異なキャリア輸送機構と制御性を解明し、高速性と低消費電力性を両立するデバイスの実現を目的とする。24年度に開発したデバイス化のための要素技術であるフッ化グラフェン作製プロセスを適用し、電界効果トランジスタを試作し、低消費電力デバイスとしての可能性を明らかにした。 (1) 系統的に実験を行った結果、「高い電気陰性度によるp型ドーピング効果」、「伝導度の電子-正孔非対称性」といった、フッ素原子に特有と考えられる特徴を見出した。またフッ化によって抵抗率が大きく上昇し、非対称性が生じることがわかった。 (2) イオン液体EMIM-BF4をゲート絶縁膜に用い、フッ化グラフェンFETを試作することにより、電圧1.5Vでトランジスタを駆動することができ、オン/オフ比は 室温では11に、78Kでは100 と向上することを検証した。 (3)低温、磁場印加環境下において、フッ化グラフェンの位相コヒーレント時間の温度依存性を測定した。この結果位相コヒーレンス時間は低温部分で一定の値に収束するという、グラフェンにはない特徴を示すことがわかった。さらに、この位相コヒーレンス時間の一定値は、キャリア密度(ゲート電圧)に依存することを見出した。すなわち、ゲート電圧によってスピン情報を制御できる可能性があると考えられ、スピントロニクスへの応用が期待できる。
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[Presentation] フッ化グラフェンの磁気抵抗効果2013
Author(s)
田原康佐,岩崎孝之,松谷晃宏,山口智弘,石橋幸治,波多野睦子
Organizer
第74回応用物理学会周期学術講演会
Place of Presentation
同志社大学京田辺キャンパス(京都府)
Year and Date
20130916-20130920
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