2013 Fiscal Year Annual Research Report
高移動度、短チャネル薄膜トランジスタを目指した塗布型有機無機ハイブリッド半導体
Project/Area Number |
24656213
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
内藤 裕義 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90172254)
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Keywords | 有機トランジスタ / 塗布プロセス / ナノ粒子 / 有機・無機ハイブリッド / C8-BTBT / 短チャネル |
Research Abstract |
塗布型薄膜トランジスタの実用には5 μm程度の短チャネル長で移動度が1 cm^2/Vsを超える素子特性が必要となる。しかし、実用上重要となるこの指標が実現できていない。本研究では、MoO_3ナノ粒子を添加することにより有機半導体の結晶性の向上(チャネル移動度の上昇、チャネル抵抗の減少)、有機半導体/ソース・ドレイン電極間の接触抵抗の低減(MoO_3と有機半導体との電荷移動を利用)を実現することにより高移動度、短チャネル薄膜トランジスタを実証することを目的とした。 MoO_3ナノ粒子をMoO_3粉末のエチルアルコール溶液の上澄み液から分離し、MoO_3ナノ粒子と有機半導体 2,7-dioctyl[1]benzothieno[3,2-b][1]benzothiophene (C8-BTBT)による有機・無機ハイブリッド半導体による薄膜トランジスタを作製、評価した。MoO_3ナノ粒子添加による正孔注入障壁の低下は殆どなく、OFF電流値も大きく変化していなかった。一方、光学顕微鏡観察による観察によると、当初の予想どおり、C8-BTBT微結晶サイズは小さくなりかつ均一であった。電界効果移動度は、わずかに低下し、閾値が-15 Vまで増大した。 このため、研究協力者の日本化薬と共同で高分子分散C8-BTBTを開発し、C8-BTBTの一層の結晶性の向上を狙った。薄膜トランジスタを作製、評価したところ、線形領域においてチャネル長5 μmで、最高で1.57 cm^2/Vsの電界効果移動度を得た。この値は、世界最高水準の値であり、本研究で掲げた数値目標を達成できた。 この他、ソース・ドレイン電極を基板内に埋め込み、有機半導体層の平坦化を実現したプロセス開発に成功した。埋め込み電極を有するトップゲート構造のC8-BTBT薄膜トランジスタにより、数Vの低駆動電圧を実現した。さらに、数ナノメータのMoO_3蒸着層をソース・ドレイン電極上に設けることによりチャネル長5 μmで、最高で0.4 cm^2/Vsの電界効果移動度を得た。
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[Presentation] Improvement in wettability of soluble organic semiconductors by silica nanoparticles addition for solution- processed organic field-effect transistors2013
Author(s)
T. Nagase, S. Yamazaki, T. Hamada, S. Tokai, M. Yoshikawa, T. Kobayashi, Y. Michiwaki, S. Watase, M. Watanabe, K. Matsukawa, H. Naito
Organizer
12th European Conference on Molecular Electronics
Place of Presentation
London, U.K.
Year and Date
20130902-09
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