2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24656214
|
Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
藤澤 浩訓 兵庫県立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30285340)
|
Keywords | ナノ強誘電体 / 自発分極 / サイズ効果 / SPM / 圧電定数 / 基板拘束 |
Research Abstract |
走査型プローブ顕微鏡(SPM)を用いて,強誘電体ナノ島の自発分極のサイズ依存性の評価を行い,以下のような成果を得た. ・試料のガーディングと多層基板を用いた測定回路の新規設計により,浮遊容量を従来の200fFから20fFまで減少させることに成功した. ・上述の測定系を用いて,高さ数nm,幅数10nmのPbTiO3ナノ島の自発分極Psと圧電定数d_33のサイズ依存性を同一のナノ島で測定することに成功した.自発分極も圧電定数もナノ島の高さが5nmまでは,薄膜と同等の100μC/cm^2,40pm/Vという値を示したが,それ以下では急激に減少した. ・圧電定数のサイズ依存性に,基板による拘束が及ぼす影響を調べた.PbTiO3ナノ島ではアスペクト比は数10であるが,薄膜とほぼ同じ拘束状態にあることを明らかにした.また,アスペクト比の変化が圧電定数に及ぼす影響は小さく,アスペクト比によらず,ほぼ一定と見なせることを明らかにした. ・圧電定数と自発分極のサイズ依存性から,比誘電率ε_33と電歪定数Q_11の積を算出したところ,単結晶の数分の一の1~2m^4/C^2であり,ナノ島の高さには依存した大きな変化は示さないことを見いだした. ・上記の知見をもとに,強誘電体ナノ島における自発分極のサイズ依存性はその高さに依存したサイズ効果によって説明でき,圧電定数のサイズ依存性も自発分極のそれによって決定されることを明らかにした.したがって,これらの高さ数nm,幅数10nmのPbTiO3ナノ島は,強誘電体メモリの記憶素子として充分な強誘電性を有するものと結論づけた.
|
Research Products
(5 results)