2012 Fiscal Year Research-status Report
超広帯域誘電・吸収分光による高分子の物性評価と絶縁劣化診断
Project/Area Number |
24656218
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大木 義路 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70103611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 直志 早稲田大学, 理工学術院, 講師 (30329122)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 高分子 / 広帯域分光 / テラヘルツ時間領域分光 / 複素誘電率 / 絶縁劣化 / 状態監視 |
Research Abstract |
24年度は、第1に、今後のさらなる大容量・高速情報通信の実現のために誘電特性の優れる材料の開発が要求されているGHz帯での高分子絶縁フィルムの誘電特性評価に注力した。ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、ポリメチルペンテン(PMP)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、アタクチックポリスチレン(APS)、液晶ポリマー(LCP)の7つの高分子のシート状の試料について、フリースペース法、すなわち、GHz帯の電磁波を試料に入射し、透過波をベクトルネットワークアナライザにより解析することにより広帯域に亘って複素誘電率スペクトルを測定した。合わせて測定した電気的周波数帯からTHz帯まで、高周波になるにつれ誘電率がほぼ単調に低くなることや誘電率が変化する周波数で誘電損のピークが生じるといった特性が確認でき、一応の信頼度を持って、各試料の特性を比較することができた。 第2番目に注力したテラヘルツイメージングによる絶縁劣化診断については、次の成果を得た。すなわち、電力ケーブルの絶縁材料である架橋ポリエチレン(XLPE)等有機高分子は、高温環境下で劣化する。24年度には、とくに可搬性のある量子カスケードレーザとTHzカメラによる実時間イメージングによる絶縁劣化診断の可能性について精力的に研究し、たとえば、XLPEの酸化にともなって2.0 THz 付近の透過率が減少することを見出した。これを利用すれば、PVCシートを試料に被せた状態でも、酸化劣化の進行が監視できることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
生体材料などに比べて圧倒的に吸収の少ない良好な高分子フィルムにおいて、GHz領域で広帯域に亘って複素誘電率スペクトルを得たことや、可搬性の高い小型装置でテラヘルツ劣化状態監視の手法を確立したことは当初予想以上の成果と考え、(2)と判定した。
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Strategy for Future Research Activity |
可搬性のある量子カスケードレーザとTHzカメラによる実時間イメージングによる絶縁劣化診断の可能性については引き続き精力的に研究を進める。さらに、生体の組織であるDNAを高分子の一つのモデルとして捉え、これのテラヘルツ領域での誘電特性の把握という真に挑戦的なテーマへの準備も進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度同様、試料としての高分子材料および比較としての無機材料の購入費、各種化学機器分析装置等使用料、ならびに電気電子部品・光学部品・蒸着用貴金属・レーザー用ガス等の各種消耗品が主な使用項目となる。
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Research Products
(7 results)