2013 Fiscal Year Research-status Report
磁束量子・反磁束量子対の生成・消滅に基づく高速論理演算・記憶方式の開発研究
Project/Area Number |
24656221
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中島 康治 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (60125622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 茂雄 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (10282013)
小野美 武 東北大学, 電気通信研究所, 助教 (70312676)
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Keywords | 磁束量子 / 論理演算回路 / レベル論理 / rf-SQUID / 乗算器 / 加算器 / ジョセフソン接合 / 超伝導集積回路 |
Research Abstract |
磁束量子・反磁束量子対の生成・消滅に基づく高速論理演算・記憶方式の研究開発において基本回路とするrf-SQUIDラダー回路を解析した結果、ヒステリシスの度合い、つまりrf-SQUIDを構成するインダクタンスLの値によりラッチング動作となる場合とノンラッチング動作となる場合が存在し、L依存性を詳細に解析した結果ノンラッチング動作は多段回路とした場合にマージンが狭いことが判明した。この理由についての解析や検討を進めている段階である。そのため回路動作の適応範囲の自由度を上げる必要性から磁束量子パラメトロンの回路構成を参考に上記回路との融合を検討し、論理回路構成要素の提案や、その動作特性に関する解析を行った。現在さらなる回路構成の融合などを積極的に進めている段階である。また上記システムとの比較もその目的として、従来型の単一磁束量子並列乗算器の試作評価を行った。4×4ビット高速並列乗算器を構成、その中で7-bit Dadda Tree を設計、解析、試作を行った。バイアスマージンや遅延時間の解析により以前に設計製作したWallace Tree に比較して性能が向上することを確認した。さらに8×8ビット高速並列乗算器を設計、Booth Encoder + 15-bit Dadda Tree + 12-bit CLA の構成と Booth Encoder + 15-bit Dadda Tree + 8-bit CLA + 4-bit RCA の構成について動作マージンや遅延時間、スループット、消費電力を比較解析した。またさらに組み合わせ最適化問題を解く超伝導集積回路ニューラルネットワークについても検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
磁束量子を用いたパルス論理からレベル論理への移行の可能性を検討すべく、rf-SQUIDラダー回路の解析を進めて、国際会議や学会で発表した。またマージンが狭い欠点を磁束量子パラメトロン回路方式との融合を検討して、その改善を進めている。また4ビットや8ビットの磁束量子乗算器を比較のため設計製作し、動作確認を行うことによりこれまでの回路に比べて性能向上が図られたため国際会議や学会で発表した。この特性とレベル論理方式との比較検討を進めている。これらの実績によりおおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
ノンラッチング動作を多段回路とした場合にマージンが狭いことの理由についての解析や検討をさらに進める。また磁束量子パラメトロンの回路構成を参考に上記回路との融合をさらに進め、論理回路構成要素の提案や、その動作特性に関する解析、さらなる回路構成の融合などを積極的に行い、規模を拡大した回路を設計製作し従来型の乗算器との比較を行い、その性能に関する解析を確定する。集積回路の試作については従来通りに産総研の援助を受ける。最終年度となるためこれらの成果をまとめて発表し評価を受ける。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額であり、平成26年度請求額とあわせ、平成26年度の研究遂行に使用する予定である。 次年度が最終年度であり、そのための収集データの整理と分析のための謝金や成果報告のための旅費、報告書作成に使用する予定である。
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