2013 Fiscal Year Annual Research Report
温度に依存しない感度特性を持つ500℃まで動作可能な炭化珪素紫外光検出器の実現
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24656230
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
須田 淳 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00293887)
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Keywords | 炭化珪素 / 光検出器 / リーク電流 / パッシベーション |
Research Abstract |
炭化珪素(SiC)紫外光検出器(フォトダイオード, PD)の電流-電圧特性の温度特性の詳細な評価を行い、順方向および逆方向リーク電流のメカニズムについて検討を行った。これは高温動作におけるPDの性能向上を進める上での基礎になる。 順方向は、室温付近では、低電圧でn値は2.0、直列抵抗現れる直前の電圧でn値は1.0であった。高温になるにつて、低電圧側でのn値が減少し、600℃では1.45まで減少した。拡散電流に比べ再結合電流の割合が減ったものと解釈できる。 逆方向は高温になるにつてリーク電流が増大し、特に200℃以上では顕著であった。リーク電流のアレニウスプロットを行ったところ200℃以上ではほぼ直線となり、その活性化エネルギーは1.1eVとなった。SiCのバンドギャップは3.2eVであり、およそその半分弱である。これは、深い準位を介した電子-正孔対の生成の可能性が高い。昨年度の研究で、この逆方向リークは周辺長に比例しており、おそらくメサ構造の側面における表面欠陥が関与しているものと思われる。 側面のパッシベーションを熱酸化膜から、熱酸化+NOアニールにすることで、リーク電流が提言され、また、そのアレニウスプロットの傾きも1.1eVから2.0eVに変化した。現時点ではこの2.0eVが何を反映しているのかは不明であるが、メサ構造側面の状態が変わったことがリーク電流低減につながっていると言える。
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