2014 Fiscal Year Annual Research Report
誘電泳動を用いた微粒子操作のためのモデリングと最適微粒子構造の探索
Project/Area Number |
24656231
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松岡 俊匡 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80324820)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 秀司 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (70434785)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | センシング |
Outline of Annual Research Achievements |
誘電泳動は不均一交流電界中において液体中の粒子が分極することで起こるが、「正の誘電泳動」と「負の誘電泳動」がある。「自己整合微粒子操作技術」では、これを巧みに使い分ける必要がある。そのためには、溶液および微粒子の誘電分散、つまり交流電界に対する分極応答、の制御が必要である。また、実際には微粒子と溶液の固液界面の挙動も重要である。現に、微粒子表面のDiffusion Cloud による実効的な粒径の変化も指摘されている。つまり、微粒子の固液界面の影響も考慮した扱いが必要となると考える。 平成24年度では、このような状況を鑑みて、微粒子とその溶液との界面まで含めた交流電界応答特性、即ち誘電分散特性、を電磁界理論および電気電子物性理論の観点より検討し、そのモデルを検討した。そして、微粒子表面の帯電状態による電気二重層の挙動によりある程度、説明できる目途をつけることができた。 平成25年度には、このモデルをさらに発展させるべく、溶液中のイオン濃度分布の変化に関する方程式を用いて、電気二重層の実効誘電率と実効膜厚の理論式を導出した。2層微粒子モデルにこれを用いて、少ないフィッティング・パラメータで、ポリスチレン微粒子の誘電泳動の周波数特性を説明することに成功した。さらに、ポリピロールを被覆したポリスチレン微粒子でも同様の実験、解析を行い、多層微粒子モデルに同様の電気二重層の実効誘電率を適用することで、この誘電泳動の周波数特性をも説明できた。 平成26年度には、これらのモデルをシリカ微粒子等の他の微粒子にも適用するべく、モデルの汎用化に取り組んだ。 なお、これと併行して、「自己整合微粒子操作技術」のための集積回路の改善も行った。
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Research Products
(6 results)