2013 Fiscal Year Annual Research Report
High-Q共振器と光差周波発生を用いたミリ波・テラヘルツ波発生デバイスの開発
Project/Area Number |
24656233
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村田 博司 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (20239528)
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Keywords | マイクロ波・ミリ波 / テラヘルツ波 / 非線形光学 / 導波管 |
Research Abstract |
本研究は、導波管構造を用いたHigh-Q共振器と、非線形光差周波発生による非接触信号注入を巧みに利用して、コヒーレントなミリ波・テラヘルツ電磁波発生および光信号処理が可能である新しい小型高性能デバイスを開発することを目的とするものである。本年度は下記の成果を得た。 1. 動作解析 光学結晶として、コングルーエント組成およびストイキオメトリー組成z-cut LiTaO3を用いた場合について、導波管の分散特性および分極反転構造を利用して位相整合を取る条件を求めた。特に、光学結晶と空気とを併用した複合導波管構造の解析を行い、得られる差周波信号の周波数特性を明らかにした。また、FDTD法を用いた詳細な数値解析を行い、発生したミリ波・テラヘルツ波がチェレンコフ放射のように広がりながら導波管基本モードに結合する様子を明らかにした。 2. 試作 設計に基づきデバイスを試作した。分極反転構造はパルス電圧印加法を用いて作製した。光導波路の作製には安息香酸プロトン交換法を用いた。導波路作製後、ダイシングソーで切断・研磨して所望のサイズの光学結晶を得た。その後、結晶をAlブロック中に作製した溝の中に設置・固定して、デバイスを作製した。 3. 信号発生実験 試作デバイスのミリ波帯での周波数特性をネットワークアナライザを用いて測定したところ、設計周波数付近での共振特性を確認した。また、光変調器を用いて生成した2トーン光をデバイス中の光導波路に入力して、出力信号を測定したところ、ミリ波信号の生成を確認した。出力ミリ波信号の周波数特性が、設計値とほぼ一致した。
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