2013 Fiscal Year Research-status Report
高性能な準瞬時FV符号の構成法と性能評価に関する研究
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24656240
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 博資 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (30136212)
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Keywords | 情報理論 / データ圧縮 / ハフマン符号 / 準瞬時FV符号 |
Research Abstract |
2つ以上の符号木と不完全内部節点を用いる3元以上の準瞬時FV符号(Almost Instantaneous Fixed-to-Variable Code, AIFV符号)の符号構成法および2元準瞬時FV符号の符号構成法を与え,その圧縮性能が,従来最適であると考えられていたハフマン符号より優れていることを理論および数値計算により明らかにした.それらの成果を,国際会議(IEEE International Sympoisum on Information Theory)で発表した. 上記のAIFV符号の構成法は,準最適なものであったが,平成25年度後半の研究で,整数計画法および混合計画法を用いることにより,最適なAIFV符号を構成できることが明らかになった.また,AIFV符号は不完全内部節点を符号化に利用することが大きな特徴であるが,根も不完全内部節点として利用することができることも判明した.これらの新たな知見に基づき,最適なAIFV符号を構築し,数値実験により性能評価を行うプログラムを作成し,最適なAIFV符号の性能を確認する作業を行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究実績の欄で述べたように,2つ以上の符号木と不完全内部節点を用いるという新しい発想に基づくAIFV符号を提案すると共に,そのAIFV符号が従来最適と考えられていたハフマン符号より圧縮性能が性能がよいことを示すことができた. 当初の研究計画は上記の結果を示すことであったが,さらに平成25年度の研究で,整数計画法および混合計画法を用いることにより最適なAIFV符号を構成できることが判明した.そのため,最適なAIFV符号の性能を詳しく調べる目的で研究期間を1年間延長した.平成26年度の研究により,最適なAIFV符号の詳しい性能が明らかになり,AIFV符号の有用性が明確になることが期待できる.
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Strategy for Future Research Activity |
上記の「研究実績の概要」および「理由」の欄に記したように,平成26年度は,整数計画法および混合計画法を用いて求めた最適なAIFV符号の性能を評価する. 具体的には情報源アルファベット{i_1, i_2, ..., i_n}に対して,その生起確率P(i_j)が等確率の場合,P(i_j)がjに比例する場合,P(i_j)がjの2乗に比例する場合の各々に対して,最適なAIFV符号の圧縮性能を調べると共に,ハフマン符号,2次拡大ハフマン符号との間で圧縮性能の比較い,AIFV符号の圧縮性がどのように優れていることを明らかにする. これらの成果をまとめて,国際シンポジウムおよび学術論文誌に投稿する予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の研究で,整数計画法および混合計画法を用いることにより最適なAIFV符号を構成できることが判明した.そのため,最適なAIFV符号の性能を理論および数値実験で詳しく調べるために研究期間を1年間延長した.次年度使用額は,延長した期間の研究に使用するために残した. 次年度使用額は,(a)最適なAIFV符号の性能を評価するための数理実験等で使用する消耗品費,(b)数値実験用プログラム作成のための謝金,(c)成果の発表のための旅費や投稿料など,に使用する予定である.
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Research Products
(1 results)