2013 Fiscal Year Annual Research Report
無線フィードバック制御システムにおけるビヨンド・コグニティブ無線
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24656243
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
原 晋介 大阪市立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80228618)
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Keywords | コグニティブ無線 / フィードバック制御 / キャリアセンス / 優先制御 / 回転倒立振子 / QoE制御 |
Research Abstract |
フィードバック制御システムを構成する制御器とプラントとの間でやりとりされる制御情報とセンス情報は,ほとんど場合,数値データであるので,それぞれの時系列データで時間差分を計算することにより,情報の重要度が推定できる.例えば,差分が大きいことは,制御器には大きな外部入力があった,あるいはプラントは不安定であることを意味するので,その情報は重要であり,一方,差分が小さいことは,制御が適当であり,プラントは安定であること意味するので,その情報は重要でないと推定できる.この推定された重要度に応じて無線チャネルへのアクセス制御の優先度を制御すれば,コグニティブ無線において,QoE (Quality of Experience)に基づいた無線資源管理が実現できる. 今年度は,ある領域に複数の独立した無線フィードバック制御システムが存在していると仮定し,キャリアセンス多重アクセス(CSMA; Carrier Sense Multiple Access)における新しい優先度制御法を提案した.提案する優先度制御法では,自システムでの差分情報と他システムの差分情報から相対的な優先度を制御器だけで計算し,その優先度に応じてパケットの送信タイミング制御を制御器だけが行う.プラントは,制御器から制御情報パケットを受信すると,即座にセンス情報パケットを返送する. 提案するQoEに基づいたCSMA法の性能を計算機シミュレーションにより明らかにした.制御システムとしては,回転倒立振子を仮定した.その結果,システム数が少ない場合は,提案法の優位さは小さいが,システムが多い場合は,提案法により振子の転倒率を著しく小さくできることがわかった.
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