2012 Fiscal Year Research-status Report
PLZT導波路を用いた超高速スペクトル制御回路の研究
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24656244
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
津田 裕之 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90327677)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 光スペクトル制御回路 / PLZT / 光導波路 / 光シンセサイザ / アレイ導波路回折格子 |
Research Abstract |
(1) 多チャネルPLZT位相変調器ハイブリッド集積法の確立:PLZT位相変調器には、高いリニアリティが要求され、ヒステリシスなどが生じない導波路材料組成にしなければならない。また、スペクトル制御を容易に行い、過剰雑音や波形歪みを減らすために、偏波依存性及び集積界面の反射低減も重要な課題である。まず、PLZTの組成に関して最適化を行いヒステリシスが最小となる導波路を検討した。駆動の初期に40V程度のポーリング処理を行うことにより線形性を高めることが出来た。偏波依存性に関しては、検討した範囲では、複屈折性を減少させることが出来なかった。本ハイブリッド構成では、偏波ダイバーシティ構造を利用することにした。端面の反射率を下げる構造をシミュレーションにより明らかにした。次年度以降の試作に反映させる予定である。 (2) 任意の位相・振幅透過スペクトルを得るための位相シフタアレイ駆動方法の確立:あるチャネルの位相シフタを駆動したときの損失は隣接するチャネルとの位相差で決定される。また、チャネル周波数間隔はAWGの周波数分解能の半分以下に設定するので、周波数分解能の幅で位相と振幅を制御する自由度は有している。両者を完全に独立に制御することは出来ないが、所望の位相・振幅透過スペクトルを得るためのアルゴリズムを検討した。その結果を石英光導波路によるスペクトル制御回路で実証した。 (3) 小型光スペクトル制御回路の試作と評価:スペクトル制御回路に先立って、石英AWGとPLZT光スイッチから構成される、高速の光スイッチの試作を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ハイブリッド集積法に関しては、設計と試作を行い、評価を進めている。損失が設計よりも大きく、組み立てに関して検討すべきことが多く残っている。また、位相変調部の駆動方法を明らかにすることが出来ている。ハイブリッドの石英AWGとPLZT光スイッチから構成される高速光スイッチを実現している。
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Strategy for Future Research Activity |
ハイブリッド集積法について、損失と反射低減をさらに進めるため、設計と試作を繰り返して実施する。また、光スペクトル制御の計算時間を減らして高速な波形制御や光パケットの生成などを試みる。また、チャネル間隔の狭帯域化、チャネル数の増大を進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費は、主に、PLZT導波路及び石英導波路試作経費に利用する。測定系の改善と高速化に利用する。また、積極的に国際会議と論文誌に成果発表を行うための諸経費に利用する。
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Research Products
(5 results)