2012 Fiscal Year Research-status Report
混雑下にある変形移動体の確率モデルに基づく大規模流れ計算に関する研究
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24656248
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
近藤 克哉 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00295750)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | システム情報処理 / 動線解析 |
Research Abstract |
大規模な数を含む場合のターゲット個々の動き・流れの推定には,相互近接,接触下の高度な個々の区別や頻繁に発生する隠蔽を解決する必要がある.そこで平成24年度は,混雑下の相互近接や隠蔽などの問題を解決するため,1.Hierarchical Dirichlet Process とHidden Markov Model を結合した HDP-HMM の確率的モデリング,2.輝度分布に基づくターゲット候補点の抽出,3.形状に基づくターゲット候補の選別,の3つの技術要素に関し研究を進めた.具体的内容は以下の通りである. 1. HDPは2次元空間的な状態遷移しか表現できないため,HDPをHMMの中に統合したモデルのHDP-HMMを用いて,時間的な遷移も同時に表現した.これによって混雑下にある個々の各時刻での動きを求めた(フレーム間での個々の対応付け(個々の軌跡表現)は次年度課題). 2. また,輝度画像にリングフィルタ処理を適用することによりターゲット候補を抽出し,抽出された候補個々のdescriptionを2次形式表現によって,輝度分布に基づく曲率を求めることで,個々の外形的特徴を表現した. 3. 2で求められた個々のdescription(曲率)からサポートベクターマシンを用いて候補の中に含まれるノイズ(ターゲット以外)を除去してターゲットのみを選別した. 以上の方法により各フレームでの個々の挙動を解いて,相互近接や接触下にあって高度な区別を必要とする場合でも,ターゲット個々を抽出でき,その動きを捉えられることを明らかにした.また混雑の程度なども評価できることを示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ計画していた通りの実験結果が得られており,申請計画に沿って進捗している. 1.多くの人が交差するスクランブル交差点など混雑下にある変形移動体を含む画像に対し本手法を適用したところ,候補点からノイズを選別除去して検出精度を上げる必要はあるものの,ほぼ期待通りの結果が得られており次年度計画に大きな変更はない.このノイズ除去の問題は,予想された範囲内の課題であって,descriptionに動き情報などを加えて解決できると考えている. 2.HDP-HMMのモデルは,よく機能しており 3.輝度分布に基づく2次形式を個々のdescriptionとすることの有効性が確認される など,おおむね予定通りに達成している.
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の成果に基づいてターゲットのdescription に基づく分類処理を進め,平成25年度は個々の挙動評価へ展開する.方策は以下の通りである. descriptionに動き情報を加え,過検出や検出漏れ率を抑えて混雑下での高精度な抽出,選別,挙動評価を行う.分類にはサポートベクターマシンを用いる.とくに挙動評価について,人・車の動線解析や細胞の系譜情報などに有用な流れ解析のためフレーム間での個々の対応付けを行い,個々を軌跡表現することが25年度の課題である.いくつかの具体的問題に適用し,大規模な数のターゲットの流れを解析する.また渋滞・混雑度の態様解析などを行う.フレーム間での対応付けには前後フレームにおける個々のdescriptionなどの情報を利用して行う. 最後にこれら成果を統合して,混雑下にある人や生物など近接・接触・変形を伴う移動体の流れを推定・解析できるシステムを完成させ,研究を総括する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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