2013 Fiscal Year Annual Research Report
混雑下にある変形移動体の確率モデルに基づく大規模流れ計算に関する研究
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24656248
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
近藤 克哉 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00295750)
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Keywords | システム情報処理 / 動線解析 |
Research Abstract |
平成24年度の成果に基づいて,平成25年度は移動体の特徴記述(description)を用いて移動体個々の抽出精度の向上,分類処理および個々の挙動評価へ展開した.具体的には以下のとおりである. 今年度は定義する特徴記述に基づき,過検出や検出漏れ率を抑えて混雑して存在する移動体の高精度な抽出,選別,挙動評価を行った.物体抽出処理は,楕円形状を抽出できるリングフィルタを用いてその出力の二次形式表現に当てはめて解いた.これは対象が概略楕円形状として近似してよい場合に有効である.分類にはサポートベクターマシンを用いた.さらに人の動線解析や細胞の系譜情報などに有用な流れ解析のため,フレーム間での個々の対応付けを行い,移動体個々を軌跡表現し,動線抽出できることを示した.フレーム間での対応付けには前後フレームにおける個々の特徴記述などの情報を利用した. 昨年度に比べ困難な問題を解く上でも,依存ディリクレ隠れマルコフモデルはよく機能し,昨年度定義した特徴記述の改良などにより,人が高密度に交差するシーンや多くの走者によるマラソンシーンなど,シーン中の個々の移動体が相互に隠れ・近接・接触し,また移動体自体も変形を伴う具体的問題に対し,大規模な数のターゲットの流れを解析できることが確認され,提案手法により個々の正確な動線を抽出できることを示した. 大規模な数の人や生物の動きを解析することで種々の新たな知見が得られるものと期待されているが,その解析のためには大規模な数の場合は疎な環境とは異なる問題(相互近接,接触下の高度な個々の区別や頻繁に発生する隠蔽)に対処する必要があった.本課題はその解析を可能とするため実施したものであり,平成24年~25年度の期間全体を通じて,課題目的である混雑した環境下において近接・接触・変形を伴う移動体の流れを推定解析できる新たなシステムを構築し,その有効性を示した.
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