2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24656254
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
佐々木 修己 新潟大学, 自然科学系, 教授 (90018911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大平 泰生 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (10361891)
崔 森悦 新潟大学, 自然科学系, 助教 (60568418)
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Keywords | プラズモン / 近接場 / 金属膜 / 光干渉 / 微細加工 / アゾベンゼン |
Research Abstract |
表面プラズモンを発生させるためには、金属薄膜表面に微細なピンホールやナノスケールの溝構造を加工することが不可欠である。そこで、簡便で高精度な金属ナノ構造の微細加工法としてアゾ薄膜を用いる方法を検討した。特に、エレクトロスプレー法により作製したアゾベンゼンのナノ粒子を用いた金薄膜のウェットエッチングでは、高さ7nm、直径320nmのナノ構造が形成された。次に、レーザ光を集光しアブレーションすることで金薄膜に形成した直径400nm程度のナノピンホールをエバネッセント波で照射し、全反射型の光干渉計測によって反射光の位相分布を検出した。ナノピンホールが存在する加工領域では反射光の位相は場所的に大きく変化し、平坦な未加工領域では位相はほぼ一定であった。以上のことから、金薄膜のナノピンホール形状によってプリズム前面に存在しているエバネッセント波からプラズモンが励起されたと考えられる。最後に、プリズム表面に存在するエバネッセント波の垂直方向に対する光強度分布を、市販のプラスチック光ファイバーの先端を化学エッチングした近接場光プローブで検出した。その結果、先鋭化された先端形状に金コーテングされたプローブを用いれば、ノイズとなる光を遮断できることが判明した。以上の実験結果から表面プラズモン干渉計システムを考案するに至った。すなわち、ガラス前面に置かれたナノピンホール構造を有する金薄膜にガラス裏面からレーザ光を入射することで表面プラズモンを励起する。この伝搬する表面プラズモン光を先鋭化したプラスチックファイバープローブで取り込む。ファイバーから出射されるレーザ光をガラス裏面へ入射させたレーザ光と干渉させて表面プラズモン光の位相を検出する。金薄膜表面に測定対象を置けば、検出された位相分布から測定対象の屈折率分布や表面形状分布を測定できる。
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Research Products
(1 results)