2012 Fiscal Year Research-status Report
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24656258
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大槻 知明 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (10277288)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アレーセンサ / ドップラーセンサ / 固有ベクトル / 位置推定 / 位置追尾 / 位置指紋法 |
Research Abstract |
本研究では,カメラのようなプライバシー侵害が無く,また,人に何かを持たせたり,家に多くのセンサを設置せずに高齢者等の見守りが可能な電波センサの開発が目的である.平成24年度は,まず,アレーセンサを用いて,アレーセンサから得られる複数の電波特徴量に基づく位置指紋法による位置推定法について検討した.位置指紋法で用いるトレーニングデータと実際に位置を推定する位置の差による影響を低減する方法についても検討し,実験の結果,高い推定精度が得られることを確認した. また,アレーセンサから得られる第1固有ベクトルに基づく位置指紋法と,人の行動を時系列データ(各要素は第1固有ベクトルの相関値)として捉え,それを低演算量で実行する,位置追尾法を提案した.教室での実験に基づき,低演算量で高精度に位置追尾ができることを示した. 一方,ドップラーセンサーについても検討した.ドップラーセンサは,照射方向のターゲットの動きは精度よく検知できるが,それと直交する方向の動きに関しては感度が劣化する.実用的な転倒検知には,ターゲットの動く方向に依存せず,また,センサの故障や不具合に対応できることが要求される.そこで,複数のドップラーセンサのデータを統合,または取捨選択することで,耐障害性のある高精度な転倒検知を提案した.個々のセンサの照射方向が異なるように設置することで,1台のセンサを用いた場合よりも高精度な転倒検知を可能にする.また,センサで取得される電圧データから特徴量を取得する際の手法として,複合的手法と選択的手法の2通りを試みた.学習と識別には,SVMとk-NNを用いた.実験により提案法を評価,その結果,複数のセンサを用いることで,1台のセンサを用いる従来の転倒検知よりも10% 転倒検知率を改善した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度にドップラーセンサについても検討を進められ,当初の予定より少し早く,全体としておおむね順調に進められている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は,アンテナや周波数に関しての検討よりも,各種システムの検討を深く行ったため,それに関する費用が予定よりも少なかった. 今後は,まずいくつかの用途に応じたアンテナや周波数,システムを検討する予定である.例えば,見守りでは,転倒検知が重要である.また,もし,呼吸等を検出できれば,病院や介護施設など,より様々な環境・場面での使用が期待される.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は,初年度購入した装置をベースにアンテナやD/A変換器の各種周波数対応に関する検討を進め,研究調査や,議論,研究成果発表の旅費等に使用予定である.
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