2013 Fiscal Year Research-status Report
スポーツ支援を目的とした広範囲・高速度・高安全運動支援システムの開発
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24656260
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
平田 泰久 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20323040)
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Keywords | 制御工学 / 知能機械 / 人間支援システム |
Research Abstract |
本研究では,ハプティックデバイスを用いて実際のスポーツにおける動作速度と同等な運動支援を実現することを目指す.高速度で駆動するシステムでは,その慣性力が大きくなることやアクチュエータの出力が大きくなることから安全性の確保が容易ではない.そこで本研究では,様々なスポーツにおける高速度かつ高安全な運動支援を可能とするブレーキ制御に基づいた新しいワイヤ型パッシブ運動支援システムの研究開発を行う. 本年度は,ワイヤユニットの数・位置に基づく制御性能解析とシステム設計をするための要件について検討を行った.サーボモータを利用したワイヤ駆動型ハプティックデバイスでは,実現したい運動自由度数に対して一本多いワイヤを用いることが必要であるということが理論的な解析で分かっている.しかしブレーキ制御に基づくシステムでは,ワイヤユニットの配置位置と操作点の運動方向の関係において,運動制御性能が大きく変化する.ワイヤユニットを増やすことで運動制御領域を増やすことはできるが,ワイヤの張力の影響が操作点に働く力に対して大きくなることや多数のワイヤ自体が運動の邪魔になるなどの問題がある.そこで,ワイヤユニット数・配置とブレーキ力発生可能領域の関係を理論的に解析し,実現したい運動性能に対する最適なワイヤユニット数やその配置を検討した. また,回生ブレーキを用いた低消費電力型システムの開発を行った.サーボモータのドライバアンプを改良することにより,モータを回生ブレーキとして利用した.これにより,パウダーブレーキなどと比べて高速な応答性を実現するとともに,消費電力を低くするシステムが実現できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はワイヤユニットの数・位置に基づく制御性能解析とシステム設計をするための要件についての検討を計画通り行うことができ,これは次年度以降に開発する3次元運動支援システムのための基盤技術となった.また,回生ブレーキを用いた低消費電力型システムの開発を通して従来に比べて消費電力が低いシステムが実現でき,これも次年度以降のシステムに応用可能である.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は今年度までに開発してきた平面型パッシブ運動支援システムを拡張し,3次元空間においても運動支援を可能とするシステムを開発することを目指す.また,ワイヤユニットの位置関係を同定するためのキャリブレーション手法の検討を行う.そして,これらの技術に基づき,ワイヤ型パッシブ運動支援システムの適用範囲の検討及び実機による検証を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度の研究を効率的に推進したことに伴い,次年度使用額が発生した. 平成26年度請求額とあわせて,平成26年度の研究遂行に使用する予定である.
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Research Products
(1 results)