2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24656264
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
片山 徹 立命館大学, 理工学部, 教授 (40026175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 末雄 立命館大学, 理工学部, 教授 (70093424)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 非線形フィルタ / 等価線形化フィルタ / ガウシアンフィルタ / ガウス和フィルタ / GPS信号処理 / 連続-離散非線形フィルタ |
Research Abstract |
等価線形化法に基づく非線形カルマンフィルタ(Equivalent Linearization Kalman Filter; EqKF)の立場から,ガウシアンフィルタ(Gaussian Filter; GF),ガウス和フィルタ,Unscented Kalman Filter(UKF),拡張カルマンフィルタ(Extended Kalman Filter, EKF)の総合的研究,ならびにガウス和フィルタを用いた非線形推定法を応用したGPS信号処理に関する研究を行った. 1. 3次センサー(cubic sensor)問題にEqKFを適用し,GFおよびEKFとの詳しい比較を行い,EqKFのフィルタゲインと共分散行列がGFのものに非常に近いという特徴があること,UKFはEqKFとGFの中間に位置する方法であること,またEKFはEqKFとはかなり異なるアルゴリズムであることを明らかにした.GFとEKFを直接比較して考察することは難しいが,EqKFとGF,EqKFとEKFの相互関係を明らかにすることができた. 2. 連続-離散非線形フィルタリング問題に対して,非線形関数の微分ではなく差分商近似を用いた新たなアルゴリズムを提案し,ホイン法に基づくフィルタの具体的な計算アルゴリズムを提案した.これは平成25年度システム制御情報学会論文賞を受賞した. 3. 通常は観測データに基づく状態ベクトルの条件付き確率分布は正規性(ガウス分布)であると仮定されるが,条件付き確率分布が非正規性のとき,条件を緩和してガウス和分布によって条件付き確率分布をより正確に近似して,EqKFを適用する方法を提案し,INS/GNSS複合航法などのGPS信号処理に適用した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は,等価線形化法(EqkF)を軸として,各種非線形フィルタを統一的に再考察して,1) 各種非線形フィルタの特徴と相互の関連性を明らかにし,さらに2)ガウス和フィルタを応用したGPS信号処理の新しいアルゴリズムを提案することである.1)に関しては,3次センサー(cubic sensor)問題を取り上げて,EqKF,GF,UKF,EKFの各アルゴリズムの比較を行って,それらの相互関係を明らかにすることができたので,90%の到達度であると考える.また2)GPS信号処理への応用に関しては,発表論文,口頭発表論文にも記載したように,EqKFと組み合わせたガウス和フィルタがINS/GNSS複合航法,GNSS相対測位,およびGPS測位における異常値検出などに適用できる見込みを得ることができた.まだ,完成されたわけではないが,達成度はこちらも80%を超えていると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
1)の等価線形化法を軸にした各種非線形フィルタの研究では,cubic センサー問題を一般の多項式システムのフィルタリング問題に拡張して,多項式カルマンフィルタに関する統一的な研究を行う.これによって,非線形フィルタに関する総合的な研究を推進し成果を学会発表し,さらに論文として学会誌に投稿する.2)のGPS信号処理に関する研究では,引き続きガウス和フィルタを応用したGPS信号処理に関する研究を行う.EqKFと組み合わせたガウス和フィルタを応用したINS/GNSS複合航法,GNSS相対測位,およびGPS測位における異常値検出などに関する研究を完成させ,成果を論文と発表する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度に2度の出張を予定していたが,1度だけになってしまった.日程上の都合と資料収集の進捗状況から次年度に2度目の出張を行うのが適当であると判断したため,未使用額が生じた.平成25年度の研究費は7月スイスで開催されるECC(ヨーロッパ制御会議),および10月に沖縄で開催される第45回確率システムシンポジウムにおいて研究成果を発表するための出張旅費,および資料収集のための出張旅費として用いられる.また,研究補助者への謝金,パソコンとプリンターの購入および関連図書の購入,その他消耗品の購入に充てられる.高額の物品費は該当なし.
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Research Products
(8 results)