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2012 Fiscal Year Research-status Report

炭素繊維によって補強された部材に生じる熱応力低減工法の開発

Research Project

Project/Area Number 24656269
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

河野 広隆  京都大学, 経営学研究科, 教授 (80344018)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 石川 敏之  京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00423202)
Project Period (FY) 2012-04-01 – 2014-03-31
Keywords熱応力 / 炭素繊維 / アルミニウム合金 / 線膨張係数 / 固有値解析 / 温度
Research Abstract

現在,劣化の進んだ鋼あるいはコンクリート部材へ炭素繊維材料を接着する補修・補強が行われ始めている.しかし,この工法では,鋼あるいはコンクリートの線膨張係数(10~12μ/℃)と炭素繊維材料の線膨脹係数(ほぼ0μ/℃)が大きく異なるため,温度変化を受けて鋼あるいはコンクリート部材に内部応力(熱応力)が生じることが課題の一つとして挙げられている.本研究では,この課題を解決するために,炭素繊維材料と共に,線膨張係数が23μ/℃の構造用アルミニウム合金を接着して,鋼あるいはコンクリート部材に生じる熱応力自体を低減させる新たな工法を提案した.
平成24年度は,炭素繊維とアルミニウム合金材が部材の両側に接着された場合の部材に生じる熱応力,および炭素繊維とアルミニウム合金材が部材の片側に接着された場合の部材に生じる熱応力に対して,理論的な解明を行った.また,理論に基づく固有値解析手法(簡易計算手法)の開発も行った.そして,炭素繊維とアルミニウム合金材が両側あるいは片側に接着された鋼部材に対して,20~30℃の温度上昇によって生じる熱応力を計測し,理論および理論に基づいた固有値解析手法による解とほぼ一致することを確認した.また,有限要素解析の結果も,固有値解析手法による解と同様な傾向を示した.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成24年度は,炭素繊維のみによって鋼やコンクリート部材が補修・補強された場合に,温度変化を受けると熱応力が生じる課題に対して,本研究で提案する炭素繊維とアルミニウム合金材を用いることによって,部材に生じる熱応力を低減させることができるかどうかを明らかにすることを目的に以下の研究を実施した.
1)炭素繊維とアルミニウム合金材が接着された部材に生じる熱応力の理論的解明と理論に基づく固有値解析を用いた解法の提案.
2)炭素繊維とアルミニウム合金材が接着された鋼部材の温度上昇試験.
3)炭素繊維とアルミニウム合金材が接着された鋼部材のFEM解析
1)の理論的解明と理論に基づく簡易な固有値解析手法を提案し,その結果が,2)と3)の温度上昇試験結果およびFEM解析結果と同様であったので,提案工法の妥当性の確認が行えており,概ね順調であると考えている.

Strategy for Future Research Activity

今年度も,引続き炭素繊維とアルミニウム合金材が接着された部材に対して実験およびFEM解析を行う.
平成24年度は,2)において,炭素繊維とアルミニウム合金材が接着された部材の温度上昇試験を行ったが,温度低下が生じた場合に対しても同様に検討する.また接着のみの補修・補強では,接着剤層で,炭素繊維やアルミニウム合金材のはく離に対する懸念があるので,はく離に着目した評価についても検討を行う.さらに,はく離に対する評価についてもFEM解析を行い,その妥当性を確認する.
本工法に対して,温度履歴を繰り返し受けた場合の影響を明らかにするために,炭素繊維とアルミニウム合金材が接着された部材の暴露試験も実施する.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

研究費としては,平成25年度も引き続き,試験の実施に必要な試験体や試験治具の製作費,ひずみゲージ費,論文投稿費を計画している.
また,旅費としては,最新の研究の情報の入手のための委員会や講習会への参加,および研究成果発表としての国内外のシンポジウムへの参加を考えている.また,実験に際して,学生アルバイトをお願いする予定である.

  • Research Products

    (3 results)

All 2012 Other

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Reduction technique of thermal stress induced in steel plate strengthened with CFRP plates2012

    • Author(s)
      Ishikawa, T., Hattori, A., Kawano, H., Nagao, T. and Kobayashi, A
    • Journal Title

      9th German-Japan Bridge Symposium

      Volume: 4A-05 Pages: 159-160

  • [Journal Article] CFRP板が片面に接着された鋼部材に生じる熱応力の低減2012

    • Author(s)
      石川敏之,冨田貴大,服部篤史,河野広隆,長尾隆史,小林 朗
    • Journal Title

      土木学会論文集A2(応用力学)

      Volume: Vol.68,No.2(応用力学論文集Vol.15) Pages: 703-714

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] CFRP板が片面に接着された鋼板に生じる熱応力の低減効果

    • Author(s)
      石川敏之
    • Organizer
      土木学会第67回年次学術講演会概要集共通セッション
    • Place of Presentation
      名古屋大学

URL: 

Published: 2014-07-24  

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