2012 Fiscal Year Research-status Report
産業廃棄物のホッキ貝殻を使用したコンクリート用膨張材の開発
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24656274
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Research Institution | Tomakomai National College of Technology |
Principal Investigator |
廣川 一巳 苫小牧工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (00100751)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 暁央 苫小牧工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (00422650)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 焼成ホッキ貝殻 / 膨張 |
Research Abstract |
焼成したホッキ貝殻粉末およびホタテ貝殻粉末をセメントの一部と置換したモルタルを作製し,膨張性能を評価することにより,それぞれが持つ膨張特性の違いを検討した. 膨張性能を定量的に評価するため,JIS A 6202コンクリート用膨張材の規格に従い,モルタルの拘束膨張試験を行った.また,焼成貝殻粉末と水との反応はモルタル打設直後から生じていると考えられるため,打設直後からの膨張特性を評価するためにASTM C 1698-09に準じたコルゲートチューブを用いたモルタルの長さ変化試験も行った.さらに,焼成した貝殻粉末を混和材として使用した場合のモルタル内部構造および水酸化カルシウム生成量を評価するために,粉末X線回折(XRD),示差熱熱重量分析(TG-DTA),走査型電子顕微鏡(SEM)によるモルタル破断面の観察を行った. ホッキ貝殻とホタテ貝殻では添加量によって膨張量に違いがあり,ホッキ貝殻の方が添加量を少なくしても膨張することが分かった.また,膨張特性に関しても異なった傾向を示すことが分かり,ホタテ貝殻を混入したモルタルの場合は継続的な膨張を示すのに対して,ホッキ貝殻を混入したモルタルは凝結から1日経過するまでに著しい膨張を示し,その後水中養生することによって再度膨張を示すが,それ以降はほとんど変化が見られなかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ホッキ貝については9割ほど実験が終了している。また,ホタテ貝殻についても9割ほど実験が終了している。校舎の改修もあり,少し先んじて実験を集中して行ったため,予定より早く実験を行うことが出来た.しかし,化学分析などに関しては,多少遅れている。会社に対するアンケート調査については,実験を優先したため実施できていないので,次年度の課題としたい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究は,膨張原因を明らかにするための化学分析の再検討や実験データの個数を増やすなど見直し部分の実験を行う予定である。蛍光X線についてはまだ行っていないので,膨張原因の解明の一手段として実験を行って行く予定である。 また,アンケート調査を実施できなかったので,マーケティング調査を行い,膨張材の利用状況を把握したいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
残額が2800円であり,物品の購入に関してはほぼ計画通りの執行が出来た。初年度は研究環境整備にほぼ全額を使用し90%の実験結果を出すことが出来たので,次年度は継続する実験や見直し実験の消耗品に研究費を使用したい。また,研究結果を土木学会,JCIなどの発表の旅費等に使用したい.
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Research Products
(8 results)