2013 Fiscal Year Annual Research Report
鋼橋の長寿命化に向けた溶接継手の超高サイクル疲労強度評価技術の開発
Project/Area Number |
24656277
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
判治 剛 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80452209)
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Keywords | 超高サイクル疲労 / 溶接継手 / 鋼橋 |
Research Abstract |
現在,「橋梁長寿命化・寿命100年以上」が強く求められている.寿命100年以上を実現するためには膨大な回数の外力の繰り返しに耐えなければならず,従来の想定を超えた寿命領域での疲労損傷に対する配慮が不可欠となる.そこで本研究では,これまで想定されてきた疲労寿命より1オーダー多い寿命域である「超高サイクル疲労域」(1千万回以上)を対象とし,その領域での溶接継手の疲労強度評価技術を開発することを目的としている.昨年度開発した高速載荷が可能な試験システムを用いて,荷重非伝達型十字継手に対して超高サイクル疲労試験を実施した.得られた主な成果と今後の課題は以下のとおりである. ・高サイクル疲労領域での継手の強度を確認したところ,従来の十字継手の疲労強度を満足していることを確認した. ・試験体の溶接止端形状を計測したところ,試験体による差異はみられず,0.5mm~1.4mmの範囲にばらついていた. ・疲労限以下の低応力範囲下で疲労試験を実施した.応力比はR=0,公称応力範囲は40N/mm2,50N/mm2,60N/mm2とした.その結果,各応力範囲で1億回を超えても疲労破壊はみられなかった.構築した疲労試験システムでは当初想定したほどの載荷スピードを実現することはできなかったが,1億回の載荷を約1ヶ月半で行うことができ,従来の疲労試験と比較して大幅な時間短縮(1/6~1/3程度)が可能である. ・今回の結果からは,従来の疲労限以下の応力範囲(超高サイクル疲労領域)での破壊はみられなかった.今後も継続して試験を実施し,試験データの蓄積を図りたい.また超高サイクル疲労領域における変動荷重下の評価手法の確立も課題として考えており,本試験システムを用いて今後取り組んでいきたい.
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