2014 Fiscal Year Annual Research Report
雪上を長距離滑走した土砂崩落現象のメカニズムと発生条件の解明
Project/Area Number |
24656281
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
山下 聡 北見工業大学, 工学部, 教授 (00174673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 貴之 北見工業大学, 工学部, 准教授 (20310964)
中村 大 北見工業大学, 工学部, 准教授 (90301978)
山崎 新太郎 北見工業大学, 工学部, 助教 (40584602)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 地すべり / 崩壊 / 雪崩 / 豪雪地域 / 地盤災害 / 防災 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は最終年度であり,これまでの実験および野外調査の取りまとめを行った.結論から言えば,実験では本研究が目的とした長距離流動現象は再現することはできなかったが,野外調査と実験結果の組み合わせによる検討により,その緒はつかめたと考えている.判明した点は以下である. 1.流下中に個々に分離した岩石に混入する雪は岩石の可動性を低下させ,長距離の運動には結びつかないと考えられる. 2.流下中に熱移動や摩擦熱などで形成された水は,雪層が透水性能を持つ限りは直ぐに雪層に浸透してしまうために岩石の流動性に影響しない可能性が高い. 3.個々の運動する岩石の粒子が大きいほど長距離流動し,小さい岩石では移動しにくい.これは,雪層自体が変形することによる緩衝能力が顕著であるためと考えられる. 4.雪層の硬度が極めて大きくなると,その低い摩擦係数により長距離運動が実現する可能性がある.さらに,複数の文献調査と各地での調査の結果,長距離運動現象は規模が大きいほど発生する可能性が高まるものの,長距離流動が発生した2011年長野北部地震で崩壊した数十万立法メートル程度の土量では,比較的短距離で停止する場合も多くあることも判明し,雪上の長距離流動は雪層の性質に強く左右されていることが明確になった. 以上の研究成果について学会発表2件を予定している.現在のところ受理には至っていないが近日中に本研究で得られた成果を公表する予定である.一方で,実験スケールと実験に用いた雪層の現実性に問題があり,より現実に近い現象の解明にはより大型で野外の天然雪層を用いた実験が必要であることも明らかになった.現在,研究グループにおいて,別の大型予算を獲得し,より実際の現象に近い大きさの実験を行うことにした.今後はより大きなスケールの実験に移行し解明への取り組みを引き続き行う予定である.
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Research Products
(2 results)